生活習慣病の種類と特徴とは?「健康な国」世界ランキングも紹介

生活習慣病の種類と特徴とは?「健康な国」世界ランキングも紹介

日本が平均寿命の長い国であることはよく知られた話です。日本の平均寿命は男女ともに80歳を超えており、世界でも有数の平均寿命の長さを誇ります(※1)

周りを見渡すと、平均寿命を超えている知り合いの方もいるのではないでしょうか。平均寿命と並んで、近年、注目されている指標に「健康寿命」というものがあります。

この記事では、日本の健康寿命について詳しく解説します。健康寿命を延ばすために大切なポイントもお伝えしますので、ぜひ今後の生活の参考にしてください。

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目次

健康寿命が最も長いのは日本

WHO(世界保健機関)の発表によると、平均寿命が世界で最も長いのは日本です(※2)

厚生労働省「令和4年簡易生命表」によると、2022年の日本の平均寿命は84.07歳で、男性の平均寿命は81.05歳、女性は87.09歳と男女ともに80歳を超えています(※3)

このように平均寿命の長い日本ですが、健康寿命はどうなのでしょうか。

健康寿命とは

健康寿命とは、2000年にWHOが初めて提唱した指標で、人の寿命のうち「健康上の問題で日常生活が制限されることのない期間」を指します。平均寿命とは、「0歳の赤ちゃんの平均余命」です(※4)

一方、健康寿命とは、平均寿命から健康上の問題で日常生活の制限のある期間を差し引いた数値です。平均寿命を延ばすだけではなく、健康寿命をいかに延ばしていくかに世界の大きな関心が集まっています。

健康寿命も世界一の日本(日本の健康寿命は74.1歳)

2023年にWHOが発表したデータによると、健康寿命が世界一長いのは日本であり、健康寿命は74.1歳です。2位はシンガポールで73.6歳、3位が韓国で73.1歳となっており、上位3カ国をアジアが独占しています(※2)。 反対に、健康寿命が短い国は、ソマリア(49.7歳)、中央アフリカ共和国(46.4歳)、レソト(44.2歳)といったアフリカの国々です(※5)

厚生労働省の「第16回健康日本21(第二次)推進専門委員会 資料 」によると、2019年の日本の健康寿命と平均寿命との開きは、男性が8.73年、女性が12.06年でした。2010年の健康寿命と平均寿命との開きは、男性が9.13年、女性が12.68年だったため、健康寿命と平均寿命の開きは縮小傾向にあります(※6) 。男女ともに健康で過ごせる期間が年々長くなっている日本は現在、世界でも屈指の健康長寿の国と言っていいでしょう。

健康寿命を延ばすためには生活習慣病にならないことが重要

健康寿命を延ばすために最も重要なのは、生活習慣病にならないことです。それは、世界の死因ランキングの上位を占めるのが生活習慣病で、なおかつ生活習慣病は防げる可能性のある病気だからです。

世界の死因ランキング

以下は、WHOが発表した「世界の死因トップ10」の順位です。2000~2019年の情報を世界の死因としてまとめたものです(※7)

1位 虚血性心疾患
2位 脳卒中
3位 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
4位 下気道感染症
5位 新生児疾患
6位 気管がん・気管支がん・肺がん
7位 認知症
8位 下痢症
9位 糖尿病
10位 腎臓病

このランキングを見て、あることに気がついた方は多いのではないでしょうか。それは、生活習慣病が多いということです。

1位の虚血性心疾患も、2位の脳卒中も、3位の慢性閉塞性肺疾患も生活習慣病に分類されます。死亡した理由の上位10位のうち、6つが生活習慣病です。

生活習慣病の患者数

2015年に国際糖尿病連合(IDF)は、世界の糖尿病患者の人口が4億1,500万人になったと発表しました(※8)。生活習慣病予防の有効な対策を講じないと、2040年までに世界の糖尿病患者は6億4,200万人に達する予測だと警鐘を鳴らしています(※8)

生活習慣病の代表でもある糖尿病患者が加速度的に増えているということは、他の生活習慣病も増えている可能性が高いでしょう。

生活習慣病の種類と特徴

「生活習慣病とはよく聞く言葉だけれど、具体的にどういった病気が生活習慣病なのかはわからない」という方もいることでしょう。ここでは、主な生活習慣病の種類と特徴を見ていきます。

糖尿病

糖尿病とは、血液中のブドウ糖が処理できず増えてしまう病気です。

血糖を下げるインスリンというホルモンが不足することによって引き起こされます。初期の自覚症状はほぼありません。

糖尿病の主な原因は、遺伝に加えて、運動不足や糖質の過剰摂取 などです。糖尿病を発症してしまうと、慢性炎症で血管への負担が増すため、脳卒中や心疾患のリスクが高くなってしまいます。また、放置することで失明(糖尿病網膜症)や腎不全などさまざまな合併症が引き起こされるケースもあります。

高血圧

血圧は、心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のことです。高血圧とは、血管が収縮した時の血圧が高い状態を指します。

高血圧の原因は、食塩の過剰摂取や肥満、アルコールの過剰摂取、運動不足、ストレス、遺伝的体質などです。いわゆる、上の血圧が140以上、もしくは下の血圧が90以上だと高血圧と呼ばれます(※9) 。高血圧の状態が続くと、心血管や脳血管に大きな負荷がかかるため、脳卒中や心疾患のリスクが増加します。

脂質異常症

血液中の脂質の値が基準値から外れた状態が脂質異常症です。具体的には、LDLコレステロール、中性脂肪などの数値が高い、HDLコレステロールが低い状態を指します。

脂質異常症の原因として考えられているのは、不健康な食事、運動不足、肥満、喫煙、飲酒、ストレスなどです。脂質異常症が長く続いてしまうと、動脈が硬くなり(動脈硬化)、脳卒中や心疾患のリスクが増加します。

心疾患

心疾患とは、心臓に起こる病気の総称です。心疾患のうち、最も多いのが虚血性心疾患です。先ほど紹介した「世界の死因トップ10」でも1位(※7)です 。

虚血性心疾患とは、心臓に血液を送る動脈(冠動脈)の血流が悪くなり、心臓が酸素不足、栄養不足に陥った状態のことを指します。高血圧、脂質異常、喫煙、高血糖などが危険因子として知られています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD) は、呼吸に重要な気管や気管支、肺胞といった肺の機能が低下する病気です。従来は慢性気管支炎や肺気腫などと呼ばれていました。

慢性閉塞性肺疾患にかかると、息切れや咳や痰といった症状が現れます。慢性閉塞性肺疾患は、別名「タバコ病」とも言われる病気で、原因の大半は喫煙です。喫煙による慢性炎症で、気管支や肺胞にダメージが来てしまいます。

がん

がんも生活習慣病の一種です。がんの多くは、喫煙や運動不足、食生活の乱れなど生活習慣と密接に関係しているからです。特に、肺がんは喫煙習慣が最大危険因子で、食道がんは喫煙に加えて酒量が多いほど高リスクになることがわかっています。

生活習慣病を予防するには

健康寿命を延ばすためには、生活習慣病の発症予防が一番ですが、どうやれば予防できるのでしょうか。

アメリカ・カリフォルニア大学のブレスロー教授が、生活習慣と病気との関係を調査した研究に基づいて提唱した健康習慣「ブレスローの7つの健康習慣」を以下にご紹介します(※10) 。ぜひ、健康づくりの参考にしてください。

  • 禁煙する
  • 定期的な運動
  • 飲酒は適量、もしくはしない
  • 睡眠時間は1日7~8時間
  • 適正体重の維持
  • 朝食を取る
  • 間食をしない

全ての習慣をすぐ取り入れるのは難しいという方は、まずは自分にできる範囲で取り組み、徐々に増やしていってみてはいかがでしょうか。

【まとめ】生活習慣病の種類と特徴について

以前は平均寿命が注目されがちでしたが、近年、健康寿命の重要性も高まっています。

平均寿命だけではなく、健康寿命をいかに延ばしていくかは世界各国の大きな課題となっています。健康寿命延伸のために大切なのは、生活習慣病にかからないことです。

生活習慣病にかかってしまうと、たとえ命は落とさなくても、日常生活は大きく制限されることもあるでしょう。

生活習慣病は世界中で年々増えている病気ですが、生活習慣を改善することで予防できます。この機会に生活習慣を見直して、健やかに過ごせる期間を1年でも長く延ばしましょう。

(※1) e-ヘルスネット(厚生労働省)|平均寿命と健康寿命
(※2) 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット|世界の健康寿命
(※3)厚生労働省|令和4年簡易生命表の概況
(※4)人事院|「健康寿命を延ばすには」
(※5)GHO|Life expectancy and Healthy life expectancy Data by country
(※6)厚生労働省|健康寿命の令和元年値について
(※7)公益社団法人 日本WHO協会|死亡原因トップ10
(※8)日本糖尿病協会|11月14日は世界糖尿病デー 2015年世界の糖尿病患者数は4億1500万人に
(※9)国立循環器病研究センター 病院|循環器病について知る
(※10)e-ヘルスネット(厚生労働省)|ブレスローの7つの健康習慣を実践してみませんか?
参照日:2023年9月

井林 雄太

医師|日本内科学会認定内科医

福岡ハートネット病院勤務。国立大学医学部卒。日本内科学会認定内科医、日本内分泌内科専門医、日本糖尿病内科専門医の資格を保有。
「一般社団法人 正しい医療知識を広める会」所属。総合内科/内分泌代謝/糖尿病の臨床に加え栄養学/アンチエイジング学が専門。
臨床業務をこなしつつ、大手医学出版社の専門書執筆の傍ら、企業コンサルもこなす。「正しい医療知識を広める」医師ライターとして多数の記事作成・監修を行っている。 

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