皮膚がんとは

皮膚がん

皮膚がんは全体のがんの中ではそれほど多い病気ではありませんが、増加傾向にあります。性別では男性に多く、また年齢が上がるほど増加傾向にあります。

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皮膚は体の表面を覆っている臓器であり、日焼けなどの影響により皮膚がんが出現します。皮膚がんには多くの種類があり、進行の早いものから遅いものまでさまざまです。

特に悪性黒色腫は進行が早く転移しやすいので、さまざまな治療が開発されています。また皮膚がんは顔などにできることもあり、治療後の美容面の意味から皮膚の修復方法も重要です。

皮膚がんは全体のがんの中ではそれほど多い病気ではありませんが、増加傾向にあります。性別では男性に多く、また年齢が上がるほど増加傾向にあります。

元気な方はどのようにすれば皮膚がんになりにくいのか、どうすれば皮膚がんを早期発見できるのかについて、皮膚がんと診断された人は皮膚がんとはどのような病気なのか、どんな検査をしてどのように治療していくのかについて、このページではそれぞれ細かく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

皮膚とは

皮膚は体の表面を覆う膜で、大きく分けると表面の表皮とその下の真皮の層になっています。
さらに表皮は表面から角質、顆粒層、有棘細胞層、基底層という構造になっており、どの部分のどの細胞ががん化したかによって皮膚がんには多くの種類があります。

皮膚がんの主な原因と特徴について

皮膚がんは女性よりも男性に多く発症し、年齢が上がれば上がるほど発症しやすくなります。

皮膚がんの原因には日焼けやウイルス感染、ヒ素やタール等、そして遺伝によるものもあります。皮膚がんの予防には小さいころからどのくらいの紫外線を浴びたかということが関係しているので、紫外線を避ける工夫が重要です。

「皮膚がんになりやすい人の特徴や原因リスクについて」では、代表的な皮膚がん種類と、どのような人が皮膚がんになりやすいのか、どうすれば皮膚がんを予防できるのかについて紹介しています。

皮膚がんの初期症状と診断方法

皮膚がんは皮膚にできるがんなので、陰部や背中などを除いて多くの場合は異常に気付きやすいがんです。しかし、中にはがんと思わずに長く放置することでがんがひろがったり治療が難しくなることもあります。専門でないと診断できないタイプもあるので、なかなか治らない発疹や傷がある場合は皮膚科の専門医に受診しましょう。

皮膚がんは住民健診や人間ドックの検査対象に入っていることが少ないので、普段から自分で皮膚の状態をみるようにしましょう。もし皮膚がんが疑われた場合は、皮膚を拡大して皮膚の下の状態まで見ることができるダーモスコピーという拡大鏡で観察します。さらに確定診断には病変の一部を切り取って顕微鏡の検査を行うこともあります。

多くの皮膚がんは最初の場所にがんがとどまっていますが、転移が疑われる場合には全身の画像検査を行うこともあります。

皮膚がんの初期症状から診断までの流れ、検査にかかる費用についての詳細は「皮膚がんの初期症状と検査方法、検診に掛かる費用とは」で紹介しています。

皮膚がんのステージ別生存率

高齢化に伴い皮膚がんの数は増加傾向にあります。
皮膚がんはタイプによって進行が遅いものから、悪性黒色腫のように進行の早いものまであり、予後はタイプによって大きく異なります。それぞれのがんで治療効果を比較するために用いられているのが5年相対生存率です。その病気でない人と比較してその病気の人が5年後に生存している割合を表す数字で、100%に近いほど治療効果の得られやすい病気、ということになります。

がんのひろがり具合の表現にステージ(進行度)があります。皮膚がんの場合は0から4までがあり、通常は数字が大きいほど病気がひろがっていることを意味します。その他に病気の経過を別に表現した平均余命という数字があります。これは100人がその病気になったときに半分の50人が亡くなる時期を示したものです。

皮膚がんのステージはどのように決められるのか、そして生存率や平均余命、罹患者数や死亡数の推移、末期皮膚がんの症状やケアについては「皮膚がんのステージ別生存率と平均余命」をご覧ください。

治療と副作用

皮膚がんに基本的な治療は手術になりますが、病気がひろがっている場合には抗がん剤などの薬物療法や放射線療法も検討されます。

手術では切除後の皮膚の修復方法も重要です。薬物療法では抗がん剤のほかに近年では分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬といった薬も開発されています。悪性黒色腫の脳転移には放射線治療であるガンマナイフやサイバーナイフが予後を延ばす効果を出しています。
それぞれの治療にはメリットとデメリットがあります。特にがんが顔などの露出した部位にできた場合は治療後どのような傷跡が残るのかといったことについても説明を聞く必要があります。

皮膚がんの治療とその副作用の詳細については「皮膚がん治療と副作用について」をご覧ください。

全国の病院ランキングトップ10

皮膚がんの多くは入院治療の必要はありませんが、一部の進行した皮膚がんでは全身麻酔の手術が必要になります。では、どのようにして皮膚がんを多く手術している病院を探せばいいのでしょうか。参考になる1つのデータは厚生労働省が発表しているDPCデータです。DPCとは病名や治療ごとに決められた医療費の定額支払い制度で、大きな病院は厚生労働省に毎年患者数を報告しています。皮膚がんの患者や手術数を見れば、ある程度その病院が皮膚がんの治療経験を推測することができます。

その他に全国にある「がん診療連携拠点病院」では専門的な知識をもった医療者が所属し、病状に応じた病院間の連携を行ったり、セカンドオピニオンに対応しているので、相談を検討してもいいでしょう。

「手術数で分かる皮膚がんの名医がいる病院ランキングトップ10」では実際のランキングや手術の数を載せています。そのほかに病院選びの際のポイントも載せましたので、参考にしてみてください。

春田 萌

日本内科学会総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医