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【連載】がん治療のコンサルタントが家族のがん治療を本気で考えてみた
>>「家族が膵臓がんと診断されたら」検査から治療方針までの記録【第1回】
目次
膵臓がんの再発率と再発が起こる仕組み
膵臓がんはステージ1a(転移のない2センチ以下のがん)でも再発率が5割を超えます。
再発というのは、がんが無くなった後にがんが出来る訳ではなく、CTやPET-CTでは映らないぐらい小さながんが残っていてそれが大きくなることを言います。
膵臓がんの場合、どこに残っているのかというと膵臓の残りの部分、肝臓、肺、骨、腹膜、リンパ節などです。肝臓、肺、骨、腹膜などの遠隔臓器に残っていればステージ4ということになります。
つまり、膵臓以外に再発するがんはステージ1と言って手術したけれども、実は手術前からステージ4だったということが再発時に分かるということになります。
そして膵臓の場合は、オリゴメタの転移(少数転移)以外は再発が見つかると治らないということになります。
オリゴメタの転移だと治るのかと言われると膵臓の場合は厳しいと言わざるを得ないですが、転移が多い場合に比べて別の考えになることが多いです。
CT・PET-CTでは確認できない微小転移とは
ただ、転移があると必ず治らないかと言われると必ずしもそうではないというのも大事な考えになります。
再発が見つかるということはCTやPET-CTなどの画像検査にがんが映るということになります。
CTやPET-CTでがんが判別できる大きさは一般的には1センチ以上の大きさと言われています。
CTやPET-CTがそもそも体を輪切りにして写真を撮っていく機械になるのですが、写真と写真の間が5ミリ程度離れています。小さながんはそもそも映らないし、映ったとしてもがんと判別するには1センチ程度無いと難しい話になります(複数あると3ミリ程度の小さながんでもがんだと推測することはある)。
術前・術後の抗がん剤が果たす役割
画像に映るほど大きくなった転移癌を抗がん剤だけで完全に根絶することは容易ではないです。
一方、画像にも映らない微小転移の段階であれば、周術期の抗がん剤によって根絶できる可能性があり、これが術前、術後の抗がん剤のメインの理由になります(手術しやすくするなどの理由もあります)。
膵臓がんの抗がん剤と再発後の治療の課題
膵臓がんで使える抗がん剤はジェムザール+アブラキサン、FOLFIRINOX,TS-1,オニバイドが代表的なものになります。
1stラインで使う抗がん剤はジェムザール+アブラキサンとFOLFIRINOXで、オニバイドやTS-1は2ndラインの抗がん剤になります。
2ndで使う抗がん剤は1stに比べると効果の期待度が低いものになります。実臨床で中心になるレジメンはかなり限られています。乳がんや肺がんなどと違い膵臓がんでは選択肢がほとんどありません。
そして、今回手術前にジェムザールとTS-1を使います(標準的な内容)。そうすると術後再発するとFOLFIRINOXかオニバイドが使っていない抗がん剤ということになるのですが、FOLFIRINOXの時に使う5-FUはTS-1と同系統の抗がん剤になります(FOLFIRINOXも使いにくい)。
使えないことはないのですが、術前、術後に抗がん剤を行っても残ったがんはその抗がん剤にあまり効かないがんである可能性が高いし、耐性を持っている可能性があるがんと言うことになります。
つまり、再発したがんに対して高い効果が期待出来る抗がん剤が残っていない状態になるということです。
でも現状、5割を超える確率で手術後にも微小ながんが残っているという話です。
なぜ術前抗がん剤のタイミングを重視するのか
そうなると再発後に何か考えるのではなく、今この術前抗がん剤が勝負で、仮にがんの微小転移があったとしても(実はステージ4だったとしても)、完治を狙うならこの抗がん剤のタイミングで何とか微小転移を消したいという選択肢以外残っていないという話になります。
ジェムザールとTS-1だけだと微小転移が半数以上の人に残るのであれば、そのタイミングで他の治療を足すということが大事という話です。
言い換えると仮に微小転移が有った場合、このタイミング以外で完治は難しいという話になります(方法はなくはないが別の機会で話します)。















