第4回 がんの再発予防の考え方

第4回 がんの再発予防の考え方

竹内 規夫

がんメディカルサービス株式会社 代表取締役

目次

再発の考え方

第4回目はがんの再発予防の考え方について書きたいと思います。

再発と聞くと、がんが一度治ったのにがんが新たに出来ると思っている患者様が凄く多いですが、それは間違いです。こういう勘違いを多く生む原因となっている「再発」という単語が悪いとすら思っています。

結論から言うと再発する患者様はがんが一度も治ってなかったということになります。

これはステージを決める時も同じ考えになるのでよく理解が必要です。

再発の種類

再発には基本的には2種類あります。

「手術、放射線などの治療の取り残しなどによる局所再発」「遠隔転移による再発」の2種類です。

局所再発は再発をしてもステージが変わらないことが多いですが、遠隔転移はステージが上がります。
リンパ転移も同じで、ステージが上がることが多いです。特に他臓器への再発は一部例外を除いてすべてステージ4です。

局所再発の治療方法

局所再発については遠隔にがんが飛んでいないので、ステージが変わらないのがほとんどです。局所的な再発なので、もう一度手術か放射線をすると完治を目指せる可能性が高いです。手術の後局所再発をすると、もう一度手術や放射線を選択しやすいのですが、放射線で再発すると手術や放射線が出来ないと言われることが多いです。

これは放射線を照射すると周りの組織が癒着を起こすのでそれを剥がしながらの手術になるからです。大変なので手術してくれる医者は少ないですが、必ず出来ないとも限らないのでそういった手術を得意としている先生を探して見てください(弊社でそういったネットワークの仕組みを作ろうとしています。近いうちに発表できればと思っています)。

放射線治療後の局所再発に対して再度の放射線治療についても同様で、一度放射線を照射すると同じ場所に2度目の放射線を打てないというのは間違いではないですが、それは周りの正常な組織へのダメージが大きいので、正常な組織を壊さない為のものです。

ただし、サイバーナイフのようなピンポイント照射の場合、周りの組織を傷つけないので放射線治療後の局所再発の場合でも再度放射線治療出来る場合が多いです。上記のような治療に関しては、外科の先生は知識に乏しい場合も多いので、直接サイバーナイフなどの治療を行っている先生の所に話を聞きに行く方が良いことが多いです。

遠隔転移の再発について

局所再発はもう一度治療することで完治を目指せることが多いのですが、遠隔転移の再発は考え方が違います。

結論からいくと遠隔転移の再発をした患者様は、初めの診断時にステージが間違えていたということになります。

例えば、大腸がんのステージ1と診断されて手術をしたとします。3年後に肝臓に1センチの再発が見つかった場合、手術の後肝臓に新たにがんが出来た訳ではありません。3年前の手術の前から肝臓に転移があったけれども、当時は小さくて見つけることが出来なかったがんが3年経って大きくなってきたので画像検査に写るようになったという考えになります。
簡単に言うと3年前の手術の前からステージ4だったけれども、当時は転移先のがんが小さかったのでステージ1だと誤診されていたということになります。これは別に主治医の先生が悪いのではなく、今の画像検査の限界からくるものになります。

そして1つでも転移が見つかると1つのがんだけが転移したとは考えません。同じように画像に映らないがんが大量に体中に転移しているだろうということを想定します。なので、1つでも他臓器に転移が見つかるとステージ4となり、全身に転移があるだろう全身がんという考えになります。

画像検査の精度が悪い

がん細胞の大きさは1つ10㎛です。1/100㎜です。この大きさで転移があったとしてもどの検査でも転移先のがんを見つけることは不可能です。ただ、前回の「第3回 治療方法を決めるにあたって。」でも書きましたが、遠隔転移については数も大きさも関係なく転移の有無だけが問題となります(第2回 がんだと診断されたら)。よって10㎛でも肝臓に転移があればステージ4ということになります。
原発のがんと違い、遠隔転移の再発に関して早期発見はほとんど意味がない話になります。

この10㎛のがん細胞が何回も何回も細胞分裂をして、大体10億個ぐらいの大きさになって初めて1㎝の大きさのがんとなり、CTなどの画像などに発見される大きさとなります。

竹内 規夫

がんメディカルサービス株式会社 代表取締役

がん相談実績20,000件以上の実績を誇る、がん治療コンサルタント。
メディアにも多く取り上げられ、「産経ニュース」、「賢者グローバル」、「医療最前線」(千葉テレビ)、「AERA」(朝日新聞出版)、「FLASH」(光文社)、「現代ビジネス」(講談社)など出演多数。

プロフィール詳細