第2回 がんだと診断されたら

第2回 がんだと診断されたら

竹内 規夫

がんメディカルサービス株式会社 代表取締役

目次

セカンドオピニオンについて

第1回目は「がんかもしれないと思ったら」を書きましたが、今回は仮にがんだと診断されたらどうするかを書いていきたいと思います。

がんと診断された段階でセカンドオピニオンをどこに行ったら良いかという質問がよく来ます。基本的にセカンドオピニオンとは「主治医が示した治療方法が正しいものであるかどうか」、「主治医が示した治療方法以外に何か治療方法がないかどうか」を聞きに行く話になります。

なのでこの段階でセカンドオピニオンに行くとしたら本当にがんかどうかを他の先生に聞きに行くという話になりますが、第1回目に書いたようにがんかどうかの確定診断を下すのは主治医の先生ではなくて病理医の先生ということになります。

この段階ではセカンドオピニオン先の先生も病理医の検査の結果を信じる以外の話は出来ないのでこの時点でのセカンドオピニオンは無駄ということになります。
(病理検査の結果が信じられないというのであれば、病理検査のセカンドオピニオンということになりますが、病理医のセカンドオピニオンは大きな病院でしかやっていないので確かめてから伺って下さい)。

転移の有無まで調べてからステージが決まる

がんと診断されたら他に転移がないかどうかを調べてステージが決まります。
基本的にがんのステージの決め方は、原発部分(がんが初めに出来たであろう臓器)のがんの大きさとリンパ転移の数、遠隔転移の有無の3つで決まります。リンパ転移は数まで重要になりますが、遠隔転移については大きさや数は重要でなく、有るか無いかだけが問題になります。なので遠隔転移についてはがんが小さかろうが数が1つだろうが関係なくステージが決まります。これについては勘違いしている人がすごく多いので注意が必要です。

セカンドオピニオンに行くタイミング

そしてステージが決まったら、初めて治療方法が決まります。

仮にセカンドオピニオンに行くとしたらこのタイミングが一番適切だと思います。「主治医の先生が示してくれた治療方法が正しいかどうかを他の先生に聞きに行く」ということになります。

基本的にはセカンドオピニオン先で聞いてきた治療を今の主治医の先生と話合います。なので、今の先生だと不安だという場合やがんセンターなどのもっと大きい病院に移りたいということになるのであれば、セカンドオピニオンではなく転院などの手続きになるのでセカンドオピニオンではないです。

セカンドオピニオン先の先生の元に治療を受けに行きたいとなった場合でも、いったん今の病院に戻って、改めて転院の手続きを取るという流れになります。

セカンドオピニオンはあまり意味がない場合が多い

ただ、個人的にはセカンドオピニオンは特殊な場合を除きほとんど意味がなく、時間を取るだけなのでこのタイミングでもやはりセカンドオピニオンはお勧めしていません。

今の日本の保険診療は、「国がお金を負担する治療なので、日本全国どこに行っても全く同じ治療を受けられないとおかしいよね」というのが基本的な考え方です。

がん種別に「がんの診療ガイドライン」というマニュアルが存在します。このがんのこのステージのこの状況だったらこの治療をしようというのがマニュアル化されています。よく主治医の先生が「ガイドライン」という言葉を言っているのはこの診療ガイドラインというマニュアルを指します。本屋さんにも売っているので気になる人は買って見てみてもよいと思います。

がんセンターは特別な治療をするところではない

多くの患者様がんセンターや大学病院だと特別な治療をしてもらえると思い、がんセンターなどにセカンドオピニオンに行く人が多いですが、基本的には大きい病院はがんの診療ガイドライン通りに治療することを前提としているので、そういった大きな病院ではセカンドオピニオンで主治医の先生と違う話を聞くことが難しいことが多いです。

例えば胃がんの場合、粘膜にがんが留まっていれば内視鏡手術となります。胃を切除しないで済みます。逆にがんが胃の筋肉層の半分以上にがんが浸潤している場合は胃を切除することになります。

仮にAという病院で胃を切除という判断が下った場合、Bという病院に行っても胃を切除という判断になります。逆にAという病院で胃を切らなくて良いという判断が下った場合は、Bという病院に行ってもやっぱり胃を切らなくて良いということになります。それはがんセンターでも同じことです。むしろそういったことを必ず守る病院です。

本当の意味でセカンドオピニオンをしたい場合

前述したように保険診療である限りセカンドオピニオンに行ってもだいたい同じ話になります。
仮に主治医の先生と違う話を聞きたいとなると、放射線科の先生や保険以外の先生の話を聞くと違う話が聞ける可能性があります。

ただ、大体の先生の考え方が古く、放射線に対して間違ったイメージを持っていることが多いので良い顔をしないことが多いです。今の放射線はサイバーナイフやトモセラピー、重粒子線、陽子線などのピンポイント照射の放射線機械が多く出回っているので、手術よりも放射線の方が優れている場合もあり得ます。ただ、どこに聞きに行ったら良いのかという問題もあるので、弊社の方でそういった患者様にきちんと必要なところに誘導できる仕組みも作り始めています。近いうちにご案内出来るようになると思います。

第三回目は「治療方法を決めるにあたって」を書きたいと思っています。

竹内 規夫

がんメディカルサービス株式会社 代表取締役

がん相談実績20,000件以上の実績を誇る、がん治療コンサルタント。
メディアにも多く取り上げられ、「産経ニュース」、「賢者グローバル」、「医療最前線」(千葉テレビ)、「AERA」(朝日新聞出版)、「FLASH」(光文社)、「現代ビジネス」(講談社)など出演多数。

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