抗がん剤がつらい、苦しい。治療をやめたいと悩んでいる人へ

抗がん剤がつらい、苦しい。治療をやめたいと悩んでいる人へ

抗がん剤と聞くと、副作用に苦しむというイメージが強いのではないでしょうか。実際抗がん剤を受けている方は、がんを叩いているのか体を痛めつけているのかわからない、もう抗がん剤治療をやめたいということをよくおっしゃいます。

現在、副作用に悩んでいる方、あるいはこれから抗がん剤を受けることが不安な方のために、そのような場合どのように対処すれば良いかご説明してゆきたいと思います。

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目次

抗がん剤の目的

抗がん剤治療を、その受け方別に分けてみると大きく次のようになります。

手術や放射線と組み合わせて受ける方法。これは手術や放射線の前にがんを小さくし、安全で確実にがんを叩けるようにしたり、術後、体内に残存しているがんがあればそれを抑えるのが目的です。

次に、抗がん剤を単独で受ける方法。これは進行したがんや再発したがんを暴れないようにすることが目的です。

一言で抗がん剤治療と言っても受けるタイミングや狙いが異なるのが分かるでしょうか。

いずれの方法においても、抗がん剤についてまわるのは副作用の問題です。使用する抗がん剤の種類、量、使用する期間はがんの状況によって異なりますので、現れる副作用は程度こそ違いますが、何もないという方のほうが珍しいと言えるでしょう。抗がん剤で治療中の多くの方が日常生活に支障をきたす副作用に頭を悩ませていらっしゃるのが現状です。

では、副作用が辛くて続けられないと感じたとき、どのようにすればよいのでしょうか。

手術や放射線と合わせて抗がん剤を受ける場合

手術や放射線の前後に抗がん剤を使用する場合、抗がん剤はメインとなる治療(手術や放射線)の補助的な役割と位置付けられています。それゆえ、基本的に使用する期間は数週間から数か月とあらかじめ決まっています。ただし、補助的といっても副作用の軽い抗がん剤を使うというわけではありません。比較的短期間に集中してがんを叩くことが目的ですので、やはり副作用という問題は起こります。

副作用に悩んでいる場合、まずは医師に相談しましょう。続けたくない、と悩まれているのなら副作用もかなり強く出ていると思います。

一定期間の使用のため「あと残り〇週間だから頑張ってやり切りましょう」と医師に説得されることもあるようです。あともう少しなら頑張れると耐えられるのなら良いのですが、それでもやはり辛いという方もいらっしゃるでしょう。そのような時は我慢せず、抗がん剤に詳しい看護師や薬剤師、相談窓口の担当者に相談してみてください。

治療に関わるスタッフは、抗がん剤治療中の患者さんの動揺や、副作用への理解不足を想定していますし、十分理解しています。もう一度説明を求めたり、辛いとうったえても大丈夫です。安心して相談してください。副作用に対する具体的な改善策、薬での対処や患者さん自身が副作用を軽減する方法など、できる限りのことを教えてくれるはずです。

これらによって、なんとか数か月間の抗がん剤をやり切ることができれば、治療後の日常生活において大きな安心に繋がるのではないでしょうか。

抗がん剤だけで治療する場合

抗がん剤だけで治療をするケースは、がんが広がっている場合や再発時といった、がんが進行している場合が多いです。

このような場合、抗がん剤を年単位という長期で使用している方もいらっしゃるでしょう。それゆえに「この辛さはいつまで続くのだろう」という、見通しが立たないことに対する不安や絶望感があると思います。それが副作用の症状をなおさら強くしてしまっていることも考えられます。

長期間にわたる治療は患者さんの孤独感も徐々に増幅させ、抗うつ状態に陥る方も多いので、こころの面においての対策が必要になるケースも少なくありません。

抗がん剤治療を受けるにあたって、効果が出ているのかどうかというのは大きな違いです。改善傾向にあるのか、それに対し今後どれくらい続けなければいけないかということを主治医に率直にたずねてみましょう。抗がん剤を続けるかはそれを聞いたうえで判断すれば良いのです。

説明に関しては、求めなければ対応してくれない医師もいますので躊躇せずに申し出てみましょう。主治医に申し出づらければ、上記でも申し上げたように看護師、薬剤師などに相談しても良いのです。その辛さを軽くする方法があるのかどうかを聞いて対策を進めていくことも必要です。

抗がん剤を止めるということ

歩けるようになること、食べられるようになること、もう一度仕事に復帰すること、旅行に行くこと…これまであなたが辛くても抗がん剤を続けてきた理由はなんでしょうか。

抗がん剤でがんが改善する可能性が低く、どうしても目標までたどり着けないと思うとき、抗がん剤を止めるという選択をされる方がいます。そのような道を選んだことで、体が楽になることを実感し自分にとって意味のある時間を過ごせるようになったという方、抗がん剤を止めて緩和ケアを主体にしても、実はその場その場で必要な処置を受けられることを知ったという方も大勢います。

抗がん剤治療をしている方にとって、抗がん剤を止めることは積極的な治療の終了を意味することがしばしばあります。ですから、やめるという決断は非常に勇気がいることです。大きな葛藤が生まれることでしょう。しかし、葛藤の末、抗がん剤をやめる道を選んだならばそれがその人の正解であり、その先の生活も希望を持って過ごせると思います。

抗がん剤を止めることが全ての“終わり”ではないと感じます。

抗がん剤治療がつらい、やめたいと思ったら

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抗がん剤の副作用はどのようなものか聞けば、病院はいろいろ教えてくれるでしょう。インターネットや本で調べても山ほどそれらの情報を集められると思います。しかし、抗がん剤を続けるメリットや止めるメリットはその人の置かれた状況や想いによって少しずつ違いますので最後は自分で判断しなければならず簡単な問題ではありません。

続けるも辛く、止めるのも辛い…どうすれば良いか自分に問いかけてもそう簡単に答えは出なくて当たり前だと思います。

抗がん剤を続けるために主治医に相談し具体的な改善策を立てる、あるいはやめたい気持ちを整理し周囲に伝えるなど、一歩行動を起こし悩める状況を打開できると良いと思います。

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