人間ドックとは?健康診断との違いやメリット、費用を解説

人間ドックとは?健康診断との違いやメリット、費用を解説

年齢を重ねてくると、さまざまな病気が心配になってくるもの。

多くの方が定期的に健康診断を受け、自分の健康状態をチェックしていることと思います。しかし、健康診断だけでは不安という方や、もう少し詳しく検査がしたいと思う方も多いのではないでしょうか。

そんな方は、「人間ドック」の受診を検討してみることをおすすめします。この記事では、人間ドックと健康診断の違いや、人間ドックを受けるメリット、費用などをご紹介します。

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目次

人間ドックとは?健康診断との違い

はじめに、「人間ドック」とはどのような目的で行うものなのか、さらに人間ドックと「健康診断」の違いについてみていきましょう。

健康診断の目的は自身の健康状態を知ること

定期的に行う健康診断の目的は、自分自身の健康状態を知ることにあります。問診や血圧、血液検査、心電図 、胃・大腸などの検査を行うのが一般的です。

また、1年に1回など、定期的に健康診断を受け続けることによって、病気の兆候を見逃さないという目的もあります。

人間ドックは病気の早期発見が目的

一方、人間ドックは健康診断と違って、定期的に受診することを法律で定められているわけではありません。受けたい人が任意で受けるのが人間ドックで、さらに詳しく自分自身の健康状態を把握して病気の早期発見を目的としたものです。

健康診断との一番の違いは、人間ドックのほうが、検査項目が幅広いことでしょう。健康診断での検査は10~15項目が一般的です。

対して、人間ドックの検査は、50項目以上にのぼることもあります。体の状態を大まかに把握できる健康診断に対して、全身をくまなく検査できるのが人間ドックです。

最近では、日帰り検査、もしくは1泊2日検査が主流となっています。

人間ドックの検査項目例

次に、人間ドックの検査項目をみていきましょう。人間ドックの検査項目は人によって異なり、希望に応じてカスタマイズできるため、一例としてとらえてください。人間ドックの検査項目として一般的なのは次の通りです。

  • 身長、体重計測
  • 血圧測定
  • 血液検査
  • 尿検査
  • 呼吸器検査
  • 循環器検査
  • 腹部超音波検査
  • 消化器検査
  • 骨密度検査
  • 眼科検査
  • 聴力検査
  • 内科診察
  • 泌尿器検査(男性)
  • 婦人科検査(女性)

このほか、多くの医療機関ではさまざまなオプションメニューを用意しており、希望に応じて必要な検査を組み入れることが可能です。

人間ドックを受けるメリット

「会社で毎年、健康診断を受けているから高いお金を払ってまで人間ドックは不要」と考える方も多いのではないでしょうか。

そこでここでは、人間ドックを受診するメリットをお伝えします。

病気の状態を詳しく把握できる

人間ドックは健康診断と比べると、検査項目が多岐にわたります。血液検査を例にすると、健康診断は赤血球数や白血球、血小板・血液像、肝機能、脂質、腎機能、糖代謝の検査にとどまることが一般的です。

一方、人間ドックの血液検査は赤血球数や白血球などの検査はもちろん、甲状腺、腫瘍マーカーなどの検査も行われます。体の隅々まで検査することで、病気を発見できる可能性が高まるのです。

健康診断ではわからない病気も見つかる

人間ドックは健康診断より多くの検査をするため、健康診断ではわからなかった病気を発見できるというメリットもあります。

たとえば、健康診断ではごく早期のがんは発見できないことも多いですが、人間ドックでPET検査などを行うことでごく早期のがんを発見できることもあります。

検査項目を自由に決定できる

人間ドックの検査項目は、検査を受ける人が自由に選定できます。

たとえば、遺伝的にある特定の病気にかかるのが心配という方の場合、特定の病気に絞った検査を受けたり、動脈硬化や脳出血、くも膜下出血、男性向け・女性向けの各種がん検査などを組み入れたりすることも可能です。

人間ドックの費用

「人間ドックを受けたいけれど、どれくらい費用がかかるか心配」という方もいると思います。そこでここでは、人間ドックの費用相場を種類ごとにみていきましょう。

人間ドックの費用は検査項目によって変わる

人間ドックは健康診断と違い、検査項目が一定ではありません。

医療機関によって、用意している検査項目は違いますし、オプションとしてほかの検査を組み込むことも可能です。そのため、人間ドックの検査メニューに、何の検査項目をどれくらい組み入れるかによって費用は大きく異なります。

もちろん、各医療機関ともに基本コースはありますが、基本コースの料金も医療機関によって異なります。なお、健康診断と異なり、人間ドックには健康保険が適用されない点には注意してください。

日帰り人間ドックの費用相場

午前中にほぼすべての検査を終了し、検査後に医師による結果説明と保健指導などが行われるのが日帰り人間ドックです。

忙しくて病院で1泊もできないという方におすすめのプランです。日帰り人間ドックの費用相場は、4万円ほどです。

1泊2日人間ドックの費用相場

1泊2日人間ドックの一番のメリットは、基本検査にオプションとして、さまざまな検査を追加できる点にあります。

体の隅々まで調べたい方は、1泊2日の人間ドックをおすすめします。1泊2日人間ドックの費用相場は、6万円から7万円ほどです。

レディース人間ドックの費用相場

一般的な人間ドックの検査項目に加えて、乳がんや子宮頸がん、卵巣がんといった女性特有の病気を調べるプランがレディース人間ドックです。

レディース人間ドックの費用相場は、4万円から6万円ほどです。

人間ドックについてまとめ

これまで人間ドックを受診したことのない方に向けて、人間ドックの概要や受診するメリット、費用相場をお伝えしました。

定期的に受ける健康診断は、病気を発見したり、自分の健康状態を知ったりすることに非常に重要なものですが、検査項目が限られています。健康診断の検査項目は多くても15項目ほどですが、人間ドックの検査項目は50以上にのぼります。

健康診断では発見できなかった病気や病気の予兆を、人間ドックなら発見できる可能性があります。さらに、人間ドックは希望に応じて任意の検査を自由に組み入れることも可能です。そのため、遺伝的にある疾患にかかってしまうリスクがあるという方が、その疾患に焦点を当てた検査を受けることもできます。

どのような病気にしろ、大切なのは早期発見・早期治療です。少しでも自分の健康状態に不安がある方は、一度、人間ドックを受診してみてはいかがでしょうか。

1.人間ドックなび「人間ドックと健康診断の違い|検査項目の種類やオプション検査のこと」
https://www.docknet.jp/media/medical-checkup-10/#:~:text=健康診断との大きな,は任意の検査です。
2.全国健康保険協会「検査の目的を理解しましょう!」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat410/sb4020/#:~:text=健康診断は、生活習慣,な受診が必要です。
3.住友病院「人間ドックの検査項目・オプション」
https://www.sumitomo-hp.or.jp/gairai/dock/kensa.html
4.ヒロオカクリニック「人間ドックはなぜ必要か 何の検査をするのか 何歳から受けるべきか にお答えします」
https://www.h-cl.org/column/detailed_medical_check/#:~:text=人間ドックを受ければ、自覚,には限界があります。
5.日本人間ドック学会「人間ドックで何がわかるの?」
https://www.ningen-dock.jp/public/about
6.一般社団法人新潟県労働衛生医学協会「日帰り・1泊2日人間ドック」
https://www.niwell.or.jp/private/dock/1day.html
7.健康医学予防協会「料金のご案内」
https://www.kenko-i.jp/price#price_page-link_3
8.健康医学予防協会「1泊2日 人間ドック」
https://www.kenko-i.jp/human-dock/stay
9.MRSO「人間ドック・健診Q&A」
https://www.mrso.jp/qa/1032.html
10.人間ドックなび「レディースドックとは?検査内容から費用、病院の選び方まで」
https://www.docknet.jp/media/medical-checkup-21/
参照日:2022年3月

成田 亜希子

医師|内科医・日本内科学会・日本感染症学会・日本公衆衛生学会・日本健康教育学会

2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の患者様の診療を行っている。行政機関に勤務経験もあり、がん対策にも携わってきた。

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