食生活を見直してがん予防!がんのリスクを低減する食べ物とは?

食生活を見直してがん予防!がんのリスクを低減する食べ物とは?

日本人の死因第一位のがん。2人に1人はがんにかかり、3人に1人ががんで命を落とすと言われています。がんになる原因はさまざまですが、食生活もがんの大きな原因で、毎日の食事を見直すことで、がんの発生リスクを下げられることが明らかになっています。

つまり、食生活の見直しは、がんを予防する手段のひとつなのです。

そこで、本記事では、がんの発生や進行のメカニズムと食べ物との関係を解説し、がん発生のリスクを低減できる食べ物をご紹介します。

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目次

がんの発生や進行と食べ物は関係ある?

「食生活改善はがん予防のひとつ」と聞いても、「本当なの?」と思う人も多いのではないでしょうか。そこで、まずはがんと食べ物との関係をみていきましょう。

免疫力が下がってしまうとがん発生リスクが高まる

実は、私たちの体では毎日、がん細胞ができていることはご存じでしょうか。

健康な人であっても毎日、5,000個ものがん細胞が生み出されているとも言われています 。それでは、なぜ毎日、がん細胞が発生しているにも関わらず、がんを発症する人としない人がいるのでしょうか。それは、私たちの体に備わっている免疫細胞が、がん細胞ができるたびに攻撃し、死滅させているからです。

何らかの原因で免疫細胞の力が弱まり、がん細胞の発生スピードに免疫細胞の攻撃力が間に合わない場合、がん細胞がどんどん増えていってしまうのです。

免疫力を下げないためにはバランスの良い食事が不可欠

免疫力が低下すると、がんに限らず多くの病気にかかりやすくなってしまいます。

免疫力を下げないためにはどのような点に気をつければよいのでしょうか。

ストレスをため込まないことや、睡眠をしっかりとること、適度な運動などが効果的と言われていますが、バランスの良い食事も不可欠です。

私たちが口にした食事が通過する腸には、人体の7割もの免疫細胞が集中していることがわかっています。また、腸の壁の一部では、免疫細胞に免疫力を高めるための訓練が行われることもわかっており、免疫力を高めるには健康的な腸の状態をキープすることが大切です。つまり、腸内環境を良くするために食事に注意することが、免疫力の維持に必要だと考えられています。

バランスの良い食事とは?

それでは、バランスの良い食事とはどのような食事のことを指すのでしょうか。

厚生労働省と農林水産省では、望ましい食生活のガイドライン「食事バランスガイド」を発表しています。

食事を「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5種類に分類し、それぞれ必要な量を示したものです。例えば、ご飯中盛りであれば4杯程度、野菜料理5皿程度、肉・魚・卵・大豆料理から3皿程度、牛乳1本程度、みかん2個程度が推奨されています。

出典:厚生労働省「食事バランスガイド」

「バランスの良い食事と言われても……」と思う人もいるでしょう。

ひとり暮らしの人が毎日これだけの食事を用意するのも大変ですし、用意するのが時間的に難しい人もいるでしょう。ただ、昼食にカップラーメンだけではなく、サラダやフルーツを1品追加する程度であれば、無理なくできるのではないでしょうか。

カップラーメンにサラダやフルーツを1品つけるだけで、格段に栄養バランスは良くなります。

また、腸内環境を整えるためには、食物繊維やオリゴ糖の摂取がおすすめです。そのほか、たんぱく質、ビタミンA、ビタミンE、ミネラルなども免疫力を高めるために必要な栄養素とされています。

毎日の食事のなかでできるだけこれらの栄養素を摂るようにしましょう。

がん予防のキーワード「デザイナーフーズ」

ここからは、がん予防効果があるとされる食べ物を具体的にみていきましょう。がん予防で有名な言葉に「デザイナーフーズ」というものがあります。

デザイナーフーズとは?

デザイナーフーズ計画とは、日本よりがん予防の研究が進んでいるアメリカで、1990年に発表された計画です。

がん予防には、野菜や果物を食事に組み込むことが効果的という研究を基に、がんを治療するのではなく、食事や食生活の改善でがんにかからない体づくりをしようとする取り組みです。

アメリカでは、1991年には10万人あたり215.1人だったがんによる死亡率が、2016年には10万人あたり156人にまで低下しています。アメリカでがん死亡率が低下したのはさまざまな理由がありますが、デザイナーフーズ計画も大きな役割を果たしたものと考えられています。

重要度が最も高いのはニンニク

デザイナーフーズ計画では、がん予防に効果が期待できる食べ物を、効果が期待できる順にピラミッド型に並べた「デザイナーフーズ・ピラミッド」が発表されました。それによると、がん予防に効果が期待できる食べ物は約40種類。この40種類の食べ物がデザイナーフーズです。

最も効果が期待できる食べ物がニンニクで、その次のグループにはキャベツ、大豆、甘草(カンゾウ)、ニンジン、パースニップ、セロリが並んでいます。お茶や玄米、全粒小麦、玉ねぎやナス、トマト、柑橘類など、さまざまな野菜や果物もデザイナーフーズに含まれています。

このデザイナーフーズ・ピラミッドを参考にして、「今日はカルボナーラパスタではなく、ニンニクたっぷりのトマトソースパスタにしよう」など、デザイナーフーズを意識的に取り入れることはさほど難しいことではありません。

ほかにも、白米100%ではなく、白米と玄米を混ぜる、料理に使う小麦粉を全粒粉小麦粉に変えてみるなど、簡単にできることは実は多いのです。厚生労働省の「食事バランスガイド」を踏まえたうえで、デザイナーフーズをうまく取り入れられるメニューを考えてみてはいかがでしょうか。

がんのリスクを低減する食べ物4選

ここでは、がんの発生や進行リスクを低減する食べ物を4種類ご紹介します。先ほど紹介したデザイナーフーズでは、主に野菜や果物に高いがん予防効果が期待できるとされていましたが、野菜や果物以外にもがん予防効果の高い食べ物はあります。

がん予防効果の高い野菜・果物

抗がん剤治療のパイオニアとして知られる勝俣範之氏(日本医科大学教授)らの研究によると、野菜や果物は特に大腸がんや肺がんの発生リスクが下げられるとされています。

なかでも高いがん予防効果が期待できる食材が、キャベツです。キャベツに含まれる「イソチオシアネート」と「ペルオキシダーゼ」 には、高いがん予防効果があることが動物実験で証明されています。ちなみに、大根やワサビの辛み成分も「イソチオシアネート」です。

また、ブロッコリーには、「スルフォラファン」というがんを予防するとされる成分が含まれています。ほかに「スルフォラファン」が含まれる食べ物は、カリフラワー、からし菜、芽キャベツといったアブラナ科の野菜があります。

果物のなかでは、みかん、グレープフルーツ、レモン、メロンなどに高いがん予防効果が期待できます。

がん予防効果の高いキノコ

キノコ類も高いがん予防効果が期待できる食べ物です。キノコ類に含まれる「β-グルカン」という栄養素には、高いがん予防効果があることが立証されているほか、免疫力を高めて感染症を予防する効果も期待できます。

なお、過去に販売されていた抗がん剤のひとつである「レンチナン」は、キノコに含まれる「β-グルカン」を精製してつくられたものです。 「β-グルカン」が特に多いキノコには、マイタケ、エリンギ、ブナシメジ、ヒラタケなどがあります。

がん予防効果の高い海藻

海藻に含まれる「フコイダン」という成分は、免疫力を高め、がん細胞の増殖に必要な新たな血管の発生を抑える働きがあり、がん予防に高い効果があるとされています。低分子化した「フコイダン」を活用した「低分子化フコイダン療法」も注目されています。

「フコイダン」は、海藻のぬめり成分のひとつで、特にモズク、昆布、ワカメ、メカブなどに多く含まれています。

カルシウム

がんのなかでも、特に大腸がんに対する高い予防効果が期待できるのが、カルシウムです。カルシウムは、がんの発生を促進する二次胆汁酸を腸管内で吸着し、がん細胞の増殖や分化を妨げると考えられています。

まとめ

主にがんの発生リスクや、進行リスクを低減させる食べ物をご紹介しました。今や、2人に1人ががんにかかる時代となり、いつ誰ががんになってもおかしくありません。また、がんが不治の病と言われたのは昔のことで、早期発見できれば根治できるがんも増えています。とはいえ、誰しもがんになんてかかりたくはありません。

残念ながら、これをやっていれば絶対にがんにならないという方法はありません。ただ、食生活を改善することで、がんの発生リスクを低減することは可能です。がん予防に興味がある方は、ご自身の食生活について改善してみてはいかがでしょうか。

なお、がんの発生原因のひとつには、ストレスもあります。食生活を気にするあまり、ストレス過多になってしまっては本末転倒です。ストレスをため込むことなく、無理のない範囲で楽しみながら食生活を改善することが何より大切です。

東京都福祉保健局|がんって何?
健康長寿ネット|免疫力を高める食事とは
総合南東北病院|広報誌 健康倶楽部/2010年8月号
Nature reviews
参照:2021年11月

成田 亜希子

内科医

2011年医師免許取得。一般内科医として幅広い疾患の患者様の診療を行っている。行政機関に勤務経験もあり、がん対策にも携わってきた。

プロフィール詳細

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