がんの最先端治療(自由診療)の効果について本当の話。重粒子線治療、光免疫治療、遺伝子治療、NK細胞療法、樹状細胞療法、ワクチン療法

がんの最先端治療(自由診療)の効果について本当の話。重粒子線治療、光免疫治療、遺伝子治療、NK細胞療法、樹状細胞療法、ワクチン療法

竹内 規夫

竹内 規夫

がんメディカルサービス株式会社代表取締役

最先端と銘打って多くのクリニックが高額な治療を行っています。主治医の先生は治療効果や安全面から反対します。

本当に効くのかどうなのか。

このあたりの本当のところを書いていきたいと思います。

目次

本当に効くのか

結論から言うとこの質問自体が間違えていると思います。
この辺りについて詳しく書いていきます。

そもそも効くという定義が曖昧なので答えることが出来ません。
「医療従事者がいうところの効果のある治療」と「患者様のいうところの効果のある治療」は乖離が激しいです。医療従事者は現状維持でも効果があったと言います。患者様の言う効果のある治療は治る治療を指すことが多いです。
なので、一概に答えることが出来ません。

仮に100%効く薬があったとします。
それを毎日一定量点滴で投与したら1か月で5万個のがん細胞を必ず死滅させることが出来たとします。

この薬を投与するクリニックがあったとして、「その治療は効くのですか?」と漠然と質問されるとあなたならどう答えますか?

必ず効くわけですから「必ず効きます」と答えますか?

「必ず効くかもしれないけど、ほとんど意味がない」と答えるのが正解です。

がん細胞は1センチでも10億個ぐらいの個数があります。5万個を必ず殺せる薬な訳ですから、「効くけど10億個のうち5万個殺しても意味がない」という答えになります。

例えばステージ4の患者様が100人、その5万個がん細胞を死滅させることが出来る治療を受けたとします。
何人治ることになりますか?

体の中にあるがん細胞が5万個以内であれば、100人その治療を受けたら100人治る薬だけれども、体の中に10万個のがん細胞がある患者様が100人その治療を受けたら1人も治らない治療だということになります。

クリニックの実績として10人受けたら3人完治していたとしたら、がんの個数が5万個以内の患者様の割合が10人中3人いたという話で、すべての患者様が3割の確率で完治するという話ではありません。

効く治療と治る治療はイコールではないのです。

量も大事

免疫細胞療法でNK細胞を増やすとがんを攻撃してがんを減少させられる論文があったとします。
その論文が正しいとすると「NK細胞を増やすNK細胞療法はがんに効く」という話になります。

じゃあ、「民間のクリニックで行っているNK細胞療法はがんに効くのですか?」と聞かれたときに「効きます」となるのかどうかは微妙な話になります。

その論文ではNK細胞を100億個に培養して使っているのに、某クリニックで行っているNK細胞療法は10億個かもしれません。

50㏄血液を抜いて細胞を培養するクリニックと1リットル近く血液を抜いて細胞を培養するクリニックがあったとして、同じNK細胞療法でも前者はほとんど効果かないけど後者は効果がありますということも考えられます。

エビデンス(科学的根拠)の無い治療方法

良く科学的根拠の無い治療方法という先生がいます。

それについては根拠のあるものの方が多いと思っています。
論文も無数に出ていて、症例数も何万人と受けているものもあり、その治療効果も発表していたりします。
その状態で科学的根拠が全くないというのは、「ただの勉強不足ですね」ということで良いと思っています。

根拠が全くない治療の方が少ないと思っています。

そもそも保険で認可されていない治療な訳ですから、エビデンスが少ないのは百も承知な話です。そんなものは自由診療を行っている先生は主治医の先生よりも分かっています。
そういった話を議論しても仕方がありません。
「知っています」としか言いようがないです。

そういったことで自由診療を否定している先生は本当に患者様と向き合っているかどうか疑問です。
エビデンスが少ないのは百も承知だけれども、このままでは治らないと言われている状態を何とかしたくてやる治療として存在しています。

そういう先生にじゃあ「免疫細胞療法とはどんな治療ですか?」と聞いてみて下さい。「よく知らない」と答えます。

保険診療でがんが必ず治るのであれば分かるのですが、治らないがんが多く存在し、2年ぐらいで治療方法がありませんと患者様を見放すことが多いのが現状です。
最後まで診てくれません。見放して終わりです。

保険診療で見放した状態で自由診療を行っても患者様が望む結果が出ることはほとんどありません。そうならないために保険診療で治療が残っているうちに何かプラスしたいと考えて患者様はいろいろな治療を模索しています。

患者様の立場で「エビデンスが少なくても良いと思える治療方法」があるのであれば治療をしたくなるのは当たり前の話だと思います。
医師の立場で、保険診療で治らない患者様が多いから保険診療に限界を感じて、それ以外の治療で活路を見出したいと考える医師が一定数いるのも当たり前の話だと思います。

少なくとも保険診療でエビデンスの高い治療方法が他にあるにも関わらず、その治療を辞めて保険外のエビデンスが少ない治療方法を受けるという場合以外は否定すべきではないと思っています。保険診療を行っている先生として同意は出来ないにしても、素直に「その治療は知らない」と答えれば良いだけの話だと思います。

エビデンスの高いと言われている保険診療にも問題が多いのが現状なので、そのあたりの患者様の気持ちは考えるべきだと思います。

自由診療の先生も効かない治療で開業しない

自由診療を行うクリニックの先生側に立ってみて考えて欲しいです。
その最先端と呼ばれる治療方法はクリニックの院長先生の技術ではありません。どこかのバイオベンチャーなどの技術にお金を払って使わせてもらっています。
免疫細胞療法などはほとんど上場企業が治療をクリニックに提供しています。

クリニックへの導入費用も特別な機器がいらないのがほとんどなので、導入の初期費用は100万円もかからないことが多いです(各治療の原価はそれなりにかかります)。

わざわざ根拠がなく、効かないと思える治療を選んで、何千万円もかけて開業しません。

効かないと思えたなら違うバイオベンチャーさんと契約をし直して、より効くであろう治療に変えれば良い話になります。
根拠がなく効かない治療を続けるメリットはクリニック側にもありません。

全く根拠がなく、効かない治療というのはエビデンスの足りない自由診療においてもほとんどないと思います。

使い方と営業トークに問題がある。

ただ治療に問題がある訳ではなくて、使い方に一番問題があります。
もう一つは広告の内容に問題があります。
ただ、広告については最近Yahoo!やGoogleの検索サイトが厳しいので、あまりひどいのは表示されませんが、上手なのはそのまま表示されていたりするので注意が必要です。

何百万円も使ったのに助からなかったという話もときどき聞きます。
聞くと「ステージ4で余命3か月の患者様」だったりします。
そんな状態から生還する魔法のような治療はそもそも存在しません。

自由診療のクリニック側も「その状態からだと延命にしかなりません」と言って治療を行っている所は良いのですが、その状態からも治ると言って治療すると問題があります。

治療そのものに問題がなくとも「営業トークと使い方に問題がある」場合が多々見受けられます。これが自由診療の一番の問題だと思っています。

保険診療でも同じだと思っています。

例えば膀胱がんにTURBTという治療があります。保険で認可されています。がんが粘膜や筋肉層の真ん中ぐらいまでで留まっている場合において、膀胱の全摘を避けることが出来る手術の名前です。

がんを物理的に取り除く訳ですからがんの転移、浸潤が広がってなければ、膀胱を温存したままがんの完治が出来る治療になります。

仮にこの治療をがんが筋肉層を突き抜けている状態で使ったとすると必ずがんが残ることになるので、治ることはあり得ません。
これを全摘がどうしても嫌だという患者様に保険外で行ったとします。
がんが必ず残る訳ですから、全摘していれば治ったかもしれない患者様をTURBTを行ったことで死なせる結果になります。
でもTURBTという治療に効果が無い訳ではなくて、使い方が悪かったという話になります。

がんが凄く小さい場合においてがんを消滅させるかもしれない治療をある程度大きながんに対して大丈夫ですと行う場合や5ミリぐらいまでしか届かない治療を5センチ離れたがんに使ったりとすることがあります。

それはその治療が効かないのでなくて、ちゃんと使えば効果的な治療をお金の為に効果的でない場面で使っているという話になります。

そういったことはなかなか表からは見えません。
自由診療を行っているクリニックに伺ってもきちんと話をしてくれる訳がありません。

そのために弊社の様な相談機関が必要なのだと思っています。

竹内 規夫

竹内 規夫

がんメディカルサービス株式会社代表取締役

がん相談実績20,000件以上の実績を誇る、がん治療コンサルタント。
メディアにも多く取り上げられ、「産経ニュース」、「賢者グローバル」、「医療最前線」(千葉テレビ)、「AERA」(朝日新聞出版)、「FLASH」(光文社)、「現代ビジネス」(講談社)など出演多数。

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