会社の健康診断でがんは見つかるのか。がん検診の必要は?

会社の健康診断でがんは見つかるのか。がん検診の必要は?

皆さまの職場では1年に1度健康診断を行っていますか?

毎年いろいろな検査をすると思いますが、その健康診断で、今や国民病ともいえるがんを見つけることはできると思いますか?

会社の健康診断だけを受けて安心してしまっている人へ、今回は「会社の健康診断でがんは発見できるのか」ということについてご説明します。

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目次

会社の健康診断の診断項目

まず会社の健康診断では、どんな検査をしているか改めて項目を見てゆきましょう。

一般的な検査項目

  • 身長・体重
  • 視力および聴力検査
  • 血圧測定
  • レントゲン
  • 尿検査
  • 血液検査
  • 眼底検査
  • 心電図検査
  • 問診

これらが、誰もが受ける検査です。
また、特殊な職場の場合それに沿った検査を行うことがあります。
例えば、粉塵を吸い込んでしまう恐れのあるような職場では、呼吸器系に問題がないかなど調べることがあります。

総じて、これらの健康診断は社員の健康を守るために行われます。
加えて、一年に一度、社員自身が自分の健康状態を把握、見直すこともできるわけです。

会社の健康診断では何がわかる?

上記のような検査では生活習慣病を見つけることが期待されます。

率直に申し上げると、会社の健康診断はメタボや脂質異常症、糖尿病、高血圧などと内臓の異常を見つけるための検査です。

これらの異常が主に血液検査とその他の検査によって明らかになります。

会社の健康診断ではがんは見つかりにくい

繰り返しますが、会社の健康診断は言ってしまえば、このように生活習慣病を見つけるための検査です。

なかには、肺のレントゲンや便潜血検査など、がん発見のきっかけとなる検査もあり「要再検査」などと言われ、詳しく調べた結果、がんが見つかったということはもちろんあります。

しかし、会社の健康診断で早期のがんまでしっかり把握することは困難です。
腫瘍マーカーという、がんの有無を血液検査で調べることができる検査項目もありますが、腫瘍マーカーの値というのは高くてもがんとは言い切れず、低くてもがんでないとは言い切れないという不確かなものです。

がんを見つけるには問診や血液検査では不十分であり、内視鏡やがんに特化した視触診、細胞診などが必要です。
したがって、会社の健康診断を受けたからと言って、がん検診やその他人間ドックなどを省略してよいわけではありません。

推奨されるがん検診と検査方法

では、がん検診では何を調べているのでしょうか。

  1. 胃がん検診(X線・内視鏡検査)
  2. 子宮頸がん検診(細胞診)
  3. 肺がん検診(X線・喀痰検査)
  4. 乳がん検診(マンモグラフィー)
  5. 大腸がん検診(便潜血検査)

国が推奨している検診と検査方法はこちらの5種類です。

がん検診でも100%がんが発見できるとは言えませんが、がん検診最大のメリットはがんに特化した検査であり、がんを早期に発見できることです。

例えば、胃がんを発見するためには、内視鏡カメラで胃の内部の異変の有無を観察し、必要があれば組織(胃の表面のほんの一部)を取ってくることが必要です。
やはり会社の健康診断ではここまで見つけづらいと言えるでしょう。

乳がんや子宮頸がんに関しては、そもそも会社の健康診断でこれらの検査をすることは基本的にないと思います。
さらに細胞を取ったり、しこりをみつけるところまでしないとがん発見には至りません。

もし、会社の健康診断と重複する項目がある場合は、再度検査をする必要はありませんが、会社の健康診断で足りない検査はがん検診を受ける必要があります。

参考:国立がんセンター がん情報サービス 「がん検診」

健康診断とがん検診は役割が異なる

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会社の健康診断では、なかなかがんの早期発見は難しいことがおわかりいただけたと思います。

しかし、会社の健康診断も生活習慣病を見つけるという点でとても重要なものです。がん検診と違い、職場でほぼ強制的に行うぶん、確実に自分の健康と向き合うチャンスではないでしょうか。

各々の目的を知り、さまざまな疾病予防や早期発見にお役立てください。

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