友達ががんになったらどのように接したら良いのか

友達ががんになったらどのように接したら良いのか

以前、友人ががんになったという女性からこんな相談を受けました。

「友達が先日がんの手術をして、今入院しています。これから抗がん剤もするって聞いているんですけど、抗がん剤って辛いんですよね?かわいそうになってしまって、何か辛くない治療はないですか?あと、お見舞いに行きたいんですがいつ頃からできるんですか?」

家族や親せきではなく、友人という立場でのがん患者さんへの接し方って難しいですね。

この女性も何かしてあげたいという気持ちがあるものの、初めてのことにどうしたら良いか悩まれているようでした。今回はそんな、友達ががんになったらどのように接してあげたらよいかということについてご説明したいと思います。

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詳細を知らない友人

実はこの女性は友人が何がんなのか知りません。ステージもわかりません。そして、どんな手術をしたのかも知りません。わからないことだらけなのですが、がんになったということを聞いて慌てているのです。

驚かれましたか?実は友人という関係だとこのようなことは意外と多いのです。
がんになったとき、本人もご家族も病状など詳しいことを周囲に伝えるのをためらうことがあります。そのため、友人、とくにそこまで親しくない間柄ですと患者さんの状況がよくわからないというのは多々あります。

ですので、病気のことについて根掘り聞くのはやめましょう。まったく病気の話を避けるというのも不自然ですが、友人側から話さないかぎり病状や手術の状況などを根掘り葉掘り聞くのはよくありません。
伏せておきたいという本人やご家族の気持ちを汲んであげましょう。たとえ相手のことを全て把握していなくても友達は友達なのではないでしょうか。

お見舞いについて

友達ががんで入院したらお見舞いに行ってあげたいと思いますよね。患者さんも、気の置けない友達が来てくれたら気がまぎれますし喜ぶと思います

お見舞いについては訪ねるタイミングに気を付けましょう。
がんで手術をしたら、その後一定期間は少なからず体に支障が出ます。
歩きづらかったり、食事がほとんど摂れなかったり、少しの間お風呂に入れなかったり、そんな普段とは違う弱ったところを友人に見られたくないなと思う人もいるのです。

患者さんのがんの事情にもよりますが、大きな疲労や落ち込みもあるでしょう。
お見舞いに行って励ますことがその人にとって一番良いこととは限りません。

お見舞いが可能になったらすぐ行くのではなく、元気になってから会ったほうが本人も喜んでくれるかもしれません。
むしろ、こちらから「お見舞い行くね」と言うのではなくて「会いたいときにいつでも呼んでね」という待ちのスタンスで良いと思います。本当に会いたいと思ったときに呼んでくれるはずです。

以前と同じように接する

患者さんに会う時に「がんになってしまったかわいそうな人」という気持ちで接すると態度や表情に現れるものです。そしてそれを相手は敏感に感じ取ります。
気を遣われていると思ったら、友達との距離ができてしまったと孤独を感じるでしょう。友達という対等な関係だったはずなのに弱者扱いされてしまったと傷つくかもしれません。

患者さんはせめて友人の前では「がんになってしまった○○さん」ではなく、以前と変わらない友達の「○○さん」でいたいのです。がんとセットで扱ってほしくないのです。

本人と接するときは今までどおりが一番です。「自分が元気をあげないと」などと気負わなくても良いのです。特別なことは考えなくても大丈夫。がんになる前と同じように接してください。

ただ先ほど、病状について詳しいことを話すのに抵抗がある人もいる、とお伝えしましたが、親しい間柄であってもがんのことは患者さんから話が出なければこちらから聞くことはしない方が良いと思います。
知っておいてほしいと思えば自然と相手から話してくれるはずです。それでも十分相手を思う気持ちは伝わります。

そっとしておくという優しさ

この女性は、抗がん剤に代わる治療を教えてあげたいともおっしゃっています。
状況がわからないながらも友達を助けるために何かしてあげたいと思って動いているのですが、もし抗がん剤に代わる治療を見つけたとしても果たして友達に「こんな治療どうかな」などと勧められるでしょうか。

治療にまつわることを決めるのは本人と家族です。
友達として一生懸命がんについて調べ、助けてあげたいと願うのはわかりますが、治療の提案をしたりするのは行き過ぎだと思います。
治療の選択は命の選択でもあります。よほど深い関係ではない限り友人が治療の提案をするというのは避けたほうが良いでしょう。

この友人は入院中ということですが、いずれ退院して日常生活に戻るまでは何もしないというのも良いと思います。何もしないなんて友達なのに冷たいと思われるかもしれません。しかしそっとしておいてあげる優しさもありますよね。
患者さんは、また会えるようになったときに以前と同じように自然と受け入れてくれることを何より望んでいるかもしれません。

友達ががんになっても友人関係は変わらない

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自分ががんになったことがないと、がんになった人の気持ちを想像するのは難しいでしょう。どうしたら喜んでもらえるかもどうしたら傷つくかも手探りですよね。友人という関係だとなおさら難しいと思います。

相手は絶対に喜んでくれるはずだと思ったことが、実はそのように受け止めてもらえないかもしれないということを覚えておいてください。
大きなポイントは以前と変わらず接するということに尽きると思います。

別の人なのですが、冒頭の女性と同様に友達ががんになったという人がこんなことをおっしゃっていました。
「命に向き合っている人に自分が何かしてあげられるというのはおこがましいと思うので、特別なことをしてあげようと考えることはありません。今まで通りに接します。」
特別何かしてあげなくても相手を思いやる気持ちがあれば、それは必ず相手に伝わります。安心して友達と向き合ってください。

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がんメディカルサービス株式会社はがん治療の総合コンサルタントです。
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