「光免疫療法のすべてをお伝えします」治療の効果は?種類は?光免疫療法とは

「光免疫療法のすべてをお伝えします」治療の効果は?種類は?光免疫療法とは

楽天メディカルの光免疫療法のアルミノックスという治療がアメリカの大統領にも取り上げられて、テレビでも何度も特集が組まれていて患者様の注目が高い治療方法になります。

ただ、インターネットで調べるといろいろな種類の光免疫療法が乱立しています。その辺りの情報をどこよりも詳しく説明出来たらと思います。

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目次

「光免疫療法」とは

出典:光免疫療法とは|関西医科大学

光免疫療法とは、薬剤と専用のレーザー機器を組み合わせてがん細胞を選択的に破壊する治療法で、「ケミカルサージェリー」の一種に分類されます。

ケミカルサージェリーには、代表的なものにBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)やPDT(光線力学的療法)などがあります。光免疫療法はその中でもPDTの発展型とされています。

簡単に説明すると理想は体に害のない薬剤をがんにだけ集まる様にして、そこに体に害のないレーザーを当てることで薬剤とレーザーの化学反応でがん細胞だけを破壊することを目的とした治療方法になります。

光免疫療法の治療の効果を決めるのは、主に以下の3つになります。

1. 薬剤の種類(抗腫瘍効果の強さ)
2. 薬剤ががんに集まる精度(DDS:ドラッグデリバリーシステム)
3 .使用するレーザーの種類と深達度

光免疫療法の種類と違い

出典:光免疫療法による治療の様子(千葉県柏市の医療施設) |日本経済新聞

インターネット等で光免疫療法を謳って治療をしているクリニックは多いですが、基本的にテレビ等で何度も取り上げている光免疫療法は楽天メディカルの光免疫療法でこちらは頭頚部において保険で認可されています。

ただし、手術が出来ない場合のみでかつ局所進行しているがんに限られての使用になるので、ほとんどのがんで使いにくい状態になっています(2025年4月現在)

それに対してクリニック等で行っている光免疫療法は楽天メディカルのものとは違うものになります。

楽天メディカルの光免疫療法はIR700と呼ばれる光感作物質を使っています。IR700は近赤外線という光に反応する化学物質です。それをセツキシマブという抗体医薬(抗EGFR抗体)に引っ付けて体に投与することでがん細胞にIR700を届けるという仕組みです。

簡単に説明すると、がんの表面にあるEGFRをいうたんぱく質をターゲットとした分子標的薬と呼ばれる抗がん剤を運び屋(ベクター)としてIR700と呼ばれる光感作物質をがんに届けるという仕組みを使っています。

がんにIR700が届いた後に近赤外線をがんに向けて照射するとIR700と近赤外線の化学反応でがんを死滅するということを目的とした治療になります。

それに対して自由診療のクリニックで行っている光免疫療法は、光感作物質の種類とがんに届ける仕組みが違うものになります。

光免疫療法の薬剤の種類と違い

自由診療のクリニックで使っている光免疫療法は使っている薬剤の種類と薬をがんに届ける仕組み(DDS)が違います。

使っている薬剤でよく見かけるのは、ICG(インドシアニングリーン)ですが、それ以外にもタラポルフィン、5‐ALA、IR783、IR780など多種に渡ります。

良く使われているICG(インドシアニングリーン)や5‐ALAなどは抗腫瘍効果が弱いので、がんを小さくは出来るもののその効果は限定的なものになります。

それに対してIR783やIR780は抗腫瘍効果がICG(インドシアニングリーン)などに比べると遥かに抗腫瘍効果が高いものになります。

ただ、IR783は保存が1日と短いのでオペレーション的に難しく、クリニックでの活用が極めてむずかしいものになります。

IR780は保存期間も長く、かつ効果も高い為、今後主力になっていく薬剤だと考えられています。タラポルフィンは効果がさらに高いですが、吸収する波長が可視光線で有る為、深部には届きにくいのと太陽や蛍光灯にも反応するなど使いにくいのとリスクが高いという難点が存在します。

DDS(ドラッグデリバリーシステム)の種類と違い(ドラッグデリバリーシステム)の種類と違い

光免疫療法は光に反応する薬と光が反応してがんを死滅する仕組みの治療ですが、その薬を如何にがんに届けるかというのが効果を決める大きな要素になります。

楽天メディカルの光免疫の薬は抗体医薬と呼ばれる分子標的薬に光感作物質を付与することでがんに届けるという仕組みになります。

自由診療で使っている光免疫療法は、抗体ではなく油脂で出来た球形の小胞のリポソームという物質を使っています。がん細胞の細胞膜は荒いけれども普通細胞の細胞膜は緻密なので、その差を利用してがんにだけ薬が入るということを期待したEPR効果という仕組みでがんに薬を届けるということを期待した仕組みになります。

リポソームを使ったものはがんに対する特異性は抗体をつかったものよりも数段落ちますが、タンパク質をターゲットにしたもので無い分、どのがんをもターゲットに出来るというメリットはあります。

どの医療機関もリポソームに光感作物質を載せて点滴投与するという点では同じですが、そのリポソームも各医療機関で使っているもので大きく違います。

リポソームの違いが効果に大きく差が出るのでどのようなリポソームを使っているか注意が必要です。

光感作物質を油脂で出来たリポソームに載せて静脈に点滴で投与するのですが、静脈に投与した場合、がんに届く前に肝臓を経由します。リポソームはその際に肝臓や脾臓などに取り込まれて薬の大半ががんに届く前に無くなってしまうことが課題でした。そこで肝臓などに取り込まれないステルス型のリポソームという次世代型のリポソームが誕生しています。

そういったステルス型のリポソームを使っている医療機関と普通のリポソームを使っている機関とでは、がんに薬が届く量が3倍程度違うという報告もあるので、医療機関を選ぶ際に重要な要素になります。

光免疫療法のレーザーの種類と違い

レーザーの種類は、可視光線と近赤外線の2種類になります。両方とも体内に入ると熱に代わるので、あまり深部には届きません。

可視光線の方が浅く(表層から1~3センチ)、近赤外線の方が比較的深部(最大7センチ:当社調べ)にまで届きます。

ただ、届く光の量は深ければ深いほど少ないので仮に届いたとしても効果が下がっていきます。かと言って、皮膚がんの様に皮膚表面に出ているがんは、光が届きやすいとはいえ、黒いので光が吸収されるという難点があります。その辺りをきちんと考えて治療を行うことが大切になります。

近赤外線の様に最大7センチ届くといっても機械によって大きく差が出ます。如何に強い光でがんに光を届けるかということが大切なので、どんな光の機械を使っているのかも凄く大切な要素になります。

※皮膚で光が反射しない様に皮膚に突き刺すタイプの機械がありますが、あれを血管に突き刺してCTC(循環がん細胞)をターゲットにしているクリニックもありますが、ほとんど意味がないと思います。

このタイプの機械は皮膚に突き刺すので、皮膚での光の反射は防げるのですが、光源が小さいので強い光を当てにくいという難点もあります。

最近は光を深部にまで届くように面で多くの光源を使い、さらにLEDでパルス照射という光を点滅させることで深くまで光が届くようにする機械などが出て来ています。

熱が出る部分の光をカットすることで強い光を当てる出来ればそういった機械を使っている医療機関で治療を受ける様にした方が良いと思っています。

光免疫療法を受けるにはどうしたら良いか

光免疫療法はテレビでよくやっていた楽天メディカルのものを受けるには、がんセンターなどの大きな病院で全国170か所以上の病院が対象となります。対象となるがんは現状、手術不可でかつ転移のない頭頚部のがんでEGFRという遺伝子が陽性のタイプのがんだけになります(2025年4月現在)

自由診療で行っている光免疫療法はがん種に関係なく出来ますが、光が届く範囲に限られます。脳などは骨を挟むので光をがんに届けるのが難しくなりますし、すい臓などの深い部分にあるがんなどは痩せている方は出来てもふくよかな方は難しいかもしれないという判断になります。

同じ臓器でもお腹側のがんは対象になっても、背中側のがんは難しいという判断になるかもしれません。大丈夫ながんかどうかは医療機関への確認になりますが、自由診療側のスタッフや先生はなるべく受けてもらいたいので判断が甘くなる傾向にあると思っています。自分自身でも判断をすることが大事だと思っています。

全国で数十か所のクリニックで行っています。自由診療で行うものなので逆に病院では出来ません。

判断基準は使っている薬剤の種類(IR780、ICGなど)、使っているリポソームの種類(ステルス型かどうか)、使っている機械の種類(LEDで面で当てれるものが好ましい)の3点になります。

医療機関に電話をし、まずは治療説明(IC)の予約を取ります。話を聞きに行くと大体1時間前後スライドを交えて先生が説明をしてくれます。

それを聞いて一旦家に持ち帰り、家族で話をして良い治療という判断になったら治療の予約を入れます。いざ受けるとなると、2日連続で通うというのを1週間開けて5回程度続ける話になります。がんを一度に死滅させるのは色々問題も出るので、何回かに分けて治療を行うことになります。

5回総額で150万円~350万円程度に設定しているクリニックが多いです。

どの医療機関が良いかを具体的に聞きたい場合は当社に連絡を頂けたら、お住まいの近くの医療機関を紹介出来ると思います。

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竹内 規夫

がんメディカルサービス株式会社 代表取締役|がん治療専門コンサルタント

がん相談実績20,000件以上の実績を誇る、がん治療コンサルタント。
メディアにも多く取り上げられ、「産経ニュース」、「賢者グローバル」、「医療最前線」(千葉テレビ)、「AERA」(朝日新聞出版)、「FLASH」(光文社)、「現代ビジネス」(講談社)など出演多数。

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