がん保険は、終身型と定期型の2種類に分かれることはご存じでしょうか。
同じがん保険でも終身型と定期型では、特徴が異なります。
そのため、加入が向いている人のタイプも違います。
そこで、がん保険の終身型と定期型の違いやそれぞれのメリット・デメリットをお伝えします。それぞれ向いている人のタイプもご紹介しますので、がん保険の加入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
がん保険の終身型と定期型の違い
まずは、がん保険の終身型と定期型の違いを見ていきましょう。がん保険の終身型と定期型とでは、主に保障期間と保険料が違います。終身型と定期型の特徴をお伝えします。
終身型とは
がん保険の終身型とは、文字通り、一生涯の保障が続くがん保険です。保障期間はがん保険を解約しない限り一生涯続きます。そして、保険料は一生涯変わりません。
定期型とは
がん保険の定期型とは、保障期間が5年や10年などに区切られているがん保険のことです。多くの保険商品では自動的に保障期間が更新されますが、更新を止めれば、保障を受けられなくなります。定期型の保険料は年齢が上がるほど高く設定されています。
がん保険の終身型のメリット・デメリット
がん保険に限らず、保険を検討する際に重要なのは、メリットとデメリットをきちんと把握することです。まずは、がん保険の終身型のメリットとデメリットを見ていきましょう。
終身型のメリット
がん保険の終身型の最大のメリットは、保障が一生涯続くところでしょう。
何歳になってもがんと診断されたときやがんで入院したときは、給付金が支給されます。定期型の場合、80歳などの年齢制限が設けられており、それ以降は更新できません。一方、終身型は、がんと診断された年齢が85歳でも90歳でも、給付金が支給されます。
2つ目のメリットは、月々の保険料が一生涯変わらない点です。定期型の保険料は年齢が上がれば上がるほど、高く設定されています。しかし、終身型の保険料は年齢がいくつになっても同じです。保険料は年齢が若いほど安く設定されており、20代や30代の頃に加入した際の保険料が一生涯続くことになります。
終身型のデメリット
次に、がん保険の終身型のデメリットを見ていきましょう。メリットだけではなく、必ずデメリットも把握した上で保険を検討することが重要です。
定期型と比べて月々の保険料が高い点が、終身型のデメリットとして挙げられます。
定期型の保険料は、年齢とともに上がっていく仕組みなので、若いうちは定期型の方が終身型よりも保険料が安くなることが一般的です。同年齢の場合、定期型より終身型の方が、月々の保険料の負担が大きくなりがちな点を押さえておきましょう。
2つ目のデメリットは、保険内容の見直しがしづらい点です。
定期型は5年や10年ごとに更新期間があるため、そのタイミングで保険内容を見直すことができます。一方、終身型は更新の必要がないため、自分で意識的に保険内容を見直すように気をつけないと、加入当初の保険内容が一生涯続くことになります。
加入した当時の保険内容が、数十年経ったときの医療に合っているとは限りません。終身型は何年かおきなど、定期的に保険内容を確認するように注意する必要があります。
がん保険の定期型のメリット・デメリット
次に、がん保険の定期型のメリットとデメリットを見ていきましょう。
定期型のメリット
定期型のメリットとして挙げられるのが、保険料が割安な点です。
同年齢で加入した場合、終身型と比べると定期型の保険料は半額以下になることもあります 。これから結婚や出産などを控えている方や、子育て中の方など、少しでも保険料を節約したいという方には大きなメリットでしょう。
2つ目のメリットは、保険内容の見直しがしやすい点です。
定期型は契約更新のタイミングが5年や10年ごとにやってきます。その時々のライフステージに適切な保険内容を選ぶことに意識が働きやすいというメリットがあります。
定期型のデメリット
定期型のデメリットは、年齢が高くなるほど保険料が高くなる点です。
保険の更新のたびに保険料は高くなります。特に60代を超えると一気に保険料が上がる点には注意しなければなりません。
60代というと、仕事をリタイアし収入が年金だけの人が増えてくる年代です。年金生活者になったときに、無理なく保険料を支払っていけるのかを、あらかじめ考えておく必要があります。
また、定期型には年齢制限が設けられている点にも注意しましょう。多くの保険商品では80歳前後が上限で、年齢制限を超えると同じ保険に加入できなくなってしまいます。年齢制限を超えた歳にがんと診断されても給付金が支給されないことは、大きなデメリットです。
あなたに合うがん保険は終身型?定期型?
終身型と定期型それぞれのメリット・デメリットを把握したところで、具体的にどのような人に終身型、定期型が向いているのかを見ていきましょう。
終身型が向いている人
終身型が向いているのは、一生涯にわたってがんに備えておきたい人です。定期型は、更新できる年齢の上限が決まっています。年齢上限は一般的に80歳前後に設定されており、一生涯にわたってがんに備えたい方には向いていません。
定期型が向いている人
定期型が向いているのは、月々の保険料を少しでも安くしたい人です。終身型のがん保険は保障が一生涯続くものの、保険料は定期型と比べると割高になってしまいます。月々の保険料を子どもの養育費に回したい人や、まだ若く収入が少ない人などは定期型が向いているでしょう。
保険の加入や見直しを検討する際の注意点
新たに保険に加入する際や保険の内容を見直す際の注意点を見ていきましょう。
免責期間には要注意
定期型を更新せずに乗り換える際に注意が必要なのは、免責期間です。がん保険は、3カ月あるいは90日間の免責期間が設定されていることが一般的です。
免責期間にがんと診断された場合、診断給付金などの各種給付金は支払われません。保険の空白期間を作らないように、古い保険の契約終了日までに新しい保険の免責期間が明けるよう、逆算して加入すると安心です。その間は保険料を二重に支払わなければなりませんが、空白期間にがんにかかってしまうより金銭的ダメージは少なくて済むでしょう。
なお、免責期間なしで乗り換えができるがん保険や、免責期間は保険料の支払いが不要になるがん保険もあります。
保障対象の範囲をしっかり把握する
がん保険の保障対象で特に注意して確認する必要があるのが、上皮内新生物の扱いです。上皮内新生物とは、がん細胞が粘膜の上層部の上皮内にとどまっている状態のことを指します。
上皮内新生物はがんの一種で、もちろん治療が必要なのですが、保険商品によっては転移の可能性が低いなどの理由から、上皮内新生物を保障対象から外しているものもあります。そのような保険商品に加入した場合、がんと診断されたにもかかわらず給付金が支払われないという事態が起きてしまいます。
支払回数と給付条件をチェックする
がんは、一時的に治ったとしても再発や転移の可能性がある病気です。がんと診断されたときに診断給付金が支給されますが、支払回数が一度きりというがん保険もあれば、支払回数が無制限のがん保険もあります。
支払回数が一度きりのがん保険の場合、再発や転移したときに診断給付金が支払われません。がん保険の加入にあたっては給付金の支払回数と給付条件をチェックしましょう。
がん保険の終身型と定期型の違いについて【まとめ】
がん保険には、終身型と定期型があり、それぞれ保障期間や保険料が異なります。
そのため、終身型が向いている人のタイプと定期型が向いている人のタイプは違います。終身型が向いているのは、一生涯にわたって保障を受けたい人、一方、定期型が向いているのは月々の保険料を少しでも節約したい人です。
また、同じ終身型、定期型でも、保険商品によって特徴や保険内容が異なります。がん保険に入る目的を確認し、自分のニーズに合ったがん保険を選びましょう。
1.SBI損保|がん保険、終身型と定期型の違い
2.太陽生命|がん保険を選ぶなら、終身型と定期型はどちらがおすすめ?
3.保険見直し本舗|終身がん保険とは? メリット・デメリットなど押さえておきたいポイント!
5.ほけんROOM|がん保険を選ぶなら定期か終身か?どっちがおすすめかFPが解説!
6.ライフネット生命保険|上皮内新生物とがん(悪性新生物)の違いは?
参照日:2023年3月