がん保険の免責期間とは?加入前に知っておきたい大切なポイント

がん保険の免責期間とは?加入前に知っておきたい大切なポイント

これまでがん保険に加入したことのない方の中には、がん保険の免責期間を知らない方もいるのではないでしょうか。

免責期間をきちんと把握しておかないと、がんと診断されたのに給付金が受けられない可能性があります。

がん保険の免責期間とはどのようなものなのでしょうか。そして、免責期間中にどのような点に注意する必要があるのでしょうか。がん保険の加入を考えている方はぜひ参考にしてください。

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目次

がん保険の免責期間とは?

まず、がん保険の免責期間とはどのようなものなのかを見ていきましょう。なぜがん保険には免責期間が設けられていて、いつから保障が開始されるのか解説していきます。

免責期間=保障が受けられない期間

免責期間の「免責」とは、損害が発生しても保険会社が保険金支払責任を負わないことをいいます。

つまり、がん保険の免責期間とは、加入者ががんにかかったとしても保険会社が給付金の支払責任を負わない期間のことです。

がん保険の免責期間は90日、あるいは3カ月間に設定されていることが一般的で、この期間にがんにかかったとしても、診断給付金などの保険金は受け取れません。

がん保険の免責期間はなぜある?

加入者にとっては理不尽にも思えるがん保険の免責期間は、なぜあるのでしょうか。

その理由は、がんという病気の特徴にあります。

健康な人であってもがん細胞は毎日できるもので、1日に5,000個も発生するという 学説もあるほどです。私たちの体の免疫細胞が毎日、発生するがん細胞を死滅させているため、がんにならずに済んでいるわけです。ところが、免疫細胞がミスを起こして、がん細胞を死滅できない場合、生き残ったがん細胞はやがてがんになってしまいます。

そうして発生したがんも、検査でがんとわかるようになるまでに10~20年という長い時間がかかります。また、初期のがんは自覚症状がないケースも少なくありません。その一方で診断より先にがんの自覚症状が出るというケースもあります。例えば、胸のしこりが気になった人が、乳がんの不安から駆け込みでがん保険に加入するということも考えられるでしょう。

がんにかかっている人も健康な人も、がん保険の保険金は一律です。

健康な人はいつがんにかかるかわからないまま、保険金を支払い続けているわけです。その一方、がんが疑われる状態で保険に加入した人は、加入後すぐに給付金が支払われる可能性があります。

健康な状態で契約している人とがんになった状態で契約した人とで公平性が保てなくなるため、がん保険には免責期間が定められているのです。

免責期間中の注意点

がん保険に加入する前には、免責期間中に注意しておかなければならないポイントを把握しておく必要があります。

そうしておかないと、がんにかかったのに給付金が支給されない事態に陥る可能性もあるでしょう。一般的ながん保険の場合、次のような特徴があります。

免責期間中にがんになったら契約は無効

90日間あるいは3カ月の免責期間中にがんであることがわかった場合、その契約は無効になります。給付金が支払われないだけでなく、契約そのものが無効になってしまう点に注意しましょう。

免責期間中にがんであることがわかった場合、それまでに支払っていた保険金は返還されます。

しかし、がんにかかったことを隠して契約していた場合、それまでに支払っていた保険金は返還されません。

例えば、保険加入前にがん検診を受けて再検査が必要だといわれていたのに、それを保険会社に黙っていた場合、告知義務違反となります。給付金が支払われないばかりか契約は無効となり、それまでに支払っていた保険金も返還されません。

免責期間中も保険料は支払わなければならない

免責期間にがんとわかっても、給付金が支払われないからといって、保険料を支払わなくてよいということではありません。

免責期間中も保険料の支払義務はあり、保険料を支払わないままだと契約が破棄される可能性があります。免責期間中も忘れずに保険料を支払いましょう。

別のがん保険に入り直す場合には空白期間に注意

現在加入しているがん保険を解約して、新しいがん保険に加入したいと考えている方も多いのではないでしょうか。そうした方に注意していただきたいのが、免責期間があることによって空白期間ができることです。

例えば、現在加入している保険の解約と、新しい保険の契約を同時にしてしまうと、保険の空白期間が生じてしまいます。なぜなら新しいがん保険には90日間あるいは3カ月間の免責期間があるからです。

この期間にがんにかかってしまうと、新しいがん保険の給付金が支給されません。空白期間を作らないためには、新しく契約するがん保険の免責期間が終了してから、古い保険を解約しましょう。一時的に保険料の支払いが二重になりますが、給付金が支給されないよりは金銭的ダメージは少なくて済みます。

免責期間なしのがん保険はある?

免責期間なしのがん保険に加入したいと思う方もいることでしょう。免責期間が設定されていないがん保険はあるのでしょうか。

結論からいえば、免責期間のないがん保険はあります。

ニーズが高まってきたことから、免責期間なしのがん保険が最近になって登場するようになってきました。以下から免責期間なしのがん保険のメリットとデメリットを見ていきましょう。

免責期間なしのがん保険のメリット

免責期間なしのがん保険の最大のメリットは、加入直後から給付金が支給される点でしょう。将来のリスクに備えてがん保険に加入したいという方もいれば、がんかもしれないからがん保険に加入したいという方もいます。

免責期間なしのがん保険であれば、がん治療にかかる費用の不安を軽減できます。

また、一般的ながん保険と比べると保険料が割安な点も免責期間なしのがん保険のメリットとして挙げられます。

免責期間なしのがん保険の保険料が割安なのは、診断一時金がないことと、給付金の金額が少ないことが理由です。

免責期間なしのがん保険のデメリット

免責期間なしのがん保険は、診断一時金がなく、一般的ながん保険と比べると給付金の金額が少ないという特徴があります。これらはデメリットとして認識しておく必要があるでしょう。

例えば、一般的ながん保険の場合、がんと診断されたときに50万~200万円ほどの診断一時金が支給されます。免責期間なしのがん保険の場合、診断一時金は支給されませんので、当面の治療費用は貯蓄しておく必要があります。

また、最近のがん治療は入院期間が短くなる傾向にあり、通院での治療がメインになりつつあります。しかし、免責期間なしのがん保険は通院保障がありません。

さらに、免責期間なしのがん保険は、がんが皮膚や粘膜の表面などにとどまっている初期のがん(上皮内新生物)は保障の対象外という点も押さえておかなければなりません。

がん保険の免責期間【まとめ】

がん保険の免責期間は、がんという病気の特性上、加入者の公平を期すために設けられています。免責期間は90日あるいは3カ月に設定されていることが一般的ですが、この期間にがんにかかっても給付金は支払われません。

給付金が支払われないだけではなく、保険契約そのものが無効になってしまいます。とはいえ、「がんかもしれないから」と不安になり、少しでも金銭的なリスクを低減したいと免責期間なしのがん保険の加入を検討している方もいるでしょう。免責期間なしのがん保険は、加入後すぐに給付金が受け取れるというメリットがある一方で、診断一時金が支給されないというデメリットがあります。

メリットだけではなくデメリットもきちんと把握した上で、加入するがん保険を検討しましょう。

1.太陽生命ダイレクト スマ保険|がん保険の免責期間とは?がん保険に加入する前に知っておきたい基礎知識
2.R&Cマガジン保険|がん保険にだけ免責期間があるのはなぜ?その理由と注意点を解説
3.ほけんROOM|医療保険の免責期間とは?加入の際に知っておくべき仕組みを解説!
4.保険の窓口 インズウェブ|がん保険の免責期間とは?どうして免責期間があるの?
5.SGホールディングスグループ健康保険組合|1.がんとは
6.保険のぜんぶマガジン|がん保険に免責期間はなぜある?その理由と注意点を徹底解説
7.保険市場|がん保険の免責期間とは?
8.マネーキャリア|免責期間なしのがん保険とは?免責期間がある理由や注意点を徹底解説!
9.ほけんROOM|がん保険の免責期間なしとは?免責期間なしのがん保険もプロが紹介
10.ウーマンエキサイト保険|免責期間・待機期間なしのがん保険について解説!責任開始日が早くすぐ適用
参照日:2023年2月

大塚 真紀

医師|総合内科専門医・腎臓内科専門医・透析専門医

東京大学大学院医学系研究科卒。医師、医学博士。博士号は、マウスを用いた急性腎障害に関する研究で取得。専門は、腎臓内科、透析。都内の大学病院勤務を経て、現在は夫の仕事の都合でアメリカ在住。医療関連の記事の執筆や監修、医療系動画監修、企業戦略のための医療系情報収集、医療系コンテンツ制作など幅広く行なう。保有資格:医学博士、総合内科専門医、腎臓内科専門医、透析専門医

プロフィール詳細

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