こんにちは。川森です。
FDAからの速報をお伝えします。
Food and Drug Administration approved margetuximab-cmkb (MARGENZA, MacroGenics) in combination with chemotherapy, for the treatment of adult patients with metastatic HER2-positive breast cancer who have received two or more prior anti-HER2 regimens, at least one of which was for metastatic disease
2020年12月16日付けで、FDAは、抗HER2療法を受けて、増悪した転移性HER2陽性進行乳がんに対して、Fc最適化抗HER2抗体margetuximab(Margenza, MacroGenics)と化学療法の併用を承認しました。対象は、HER2陽性の転移性進行乳がんで、少なくとも2種類以上の抗HER2療法を受けた患者で、少なくとも1回以上転移病変に対する治療を受けたことのある患者となっています。
Margetuximabは、免疫エフェクター細胞を活性化するように抗体のFc領域が最適化されている抗HER2キメラモノクローナル抗体です。説明するのは、難しいですが、要は、今までの抗HER2療法で効果がなくなった患者にも、効果が期待できるというお薬になります。
承認の根拠となったデータは、SOPHIA (NCT02492711)という多施設、無作為オープンラベル試験です。対象となった患者は、HER2が、陽性(免疫染色+3以上かISH陽性)の転移性乳がんで抗HER2療法を受けたことがある536人です。患者は、無作為にmargetuximabと化学療法群とtrastuzumab(ハーセプチン)と化学療法群に分けられ、化学療法は、カペシタビン、エリブリン、ゲミシタビン、ビノレルビンから選択。
結果は、盲検下中央解析による無増悪生存期間(PFS, progression -free survival)が、margetuximab群が5.8ヶ月、trastuzumab群が4.9ヶ月と有意にmargetuximab群が延長しています。
安全性は、両群でほぼ同等であった。
また、速報が届き次第皆様にお伝えしたいと思います。