若い方や健康に自信のある方の中には、あまり病院に行った経験がない人も少なくないでしょう。病院に行った経験があまりない方は、どのように受診して、何を持って病院に行けばいいかわからないと思います。
初めて病院に行くとき、どのような流れで診察が行われて、何を持っていけばいいのでしょうか。そして、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
初めて病院に行くときに準備したいことと併せて詳しく見ていきましょう。
目次
病院を受診するときの流れ
初めて病院に行くとき、もしくは、もう長いこと病院に行っていない人が久しぶりに病院に行くとき、最も気にかかるのは、どのような流れで診察が行われるかということでしょう。さらに初診時に、どれくらいの時間がかかるのかも把握しておきたいところです。ここでは、病院を受診するときの流れを初診時と再診時に分けて見ていきましょう。
初診時
これまで診察を受けたことのない病院で診察を受ける際の流れは、以下の通りです。
受付
まず、病院の受付にて健康保険証を提示します。紹介状がある方は、保険証と併せて受付に渡してください。
なお、新型コロナウイルス対策もあって、完全予約診療を導入している病院も少なくありません。そういった病院で受診する場合は、事前に電話などで予約を取ってください。
問診表への記入
受診する診療科から問診票が渡されますので、体調や症状、経過、薬物アレルギーの有無などを記入してください。問診票を記入した後に、受付に提出します。
診察
記入した問診票をもとに、医師が診察を行います。
病気のことや体調のことはもちろん、生活習慣など気にかかっていることがあれば、相談するようにしましょう。診察の結果、必要があれば検査が行われることもあります。
会計
診察が終了したら、待合室で会計を待ちます。受付で名前が呼ばれたら会計をし、処方箋を受け取ってください。
初診にかかる時間
受診する診療科や診察内容によって変わりますが、受付から会計までは1~2時間ほどを見ておきましょう。
予約制の病院やクリニックでも急患で時間が押してしまう可能性があります。できるだけ時間に余裕のある日に受診することをおすすめします。
再診時
再診時と初診時で受診の流れは、大きくは変わりません。
まず、受付で初診の際に発行される診察券を提出します。月の初めの受診の場合は、健康保険証の提示が必要です。その後、各診療科のスタッフの指示に従い、診察や検査を受けてください。全ての診察・検査が終わったら、待合室で会計を待ちます。
初めての病院に何を持っていけばいい?
初めての病院で診察を受ける場合、何を持っていけばいいのでしょうか。
例えば、健康保険証を忘れた場合、いったん医療費を全額自己負担で支払わなければなりません。病院に行く前に、忘れ物はないかを必ずチェックしましょう。
持っていくもの
初診時に必ず必要なものは健康保険証です。
保険証を忘れると、いったん医療費を全額自己負担で支払わなければなりません。後日、申請すれば差額は戻ってくるとはいえ、手間になりますし、初診料の全額自己負担は決して少ない額ではありません。保険証は忘れずに、必ず持っていきましょう。
また、月の初めの受診の場合、再診時にも保険証の提出が求められますので、忘れないようにしてください。そのほか、各種公費医療受給者証やお薬手帳などを持っている方は、忘れずに持っていきましょう。
いくら持っていけばいい?
初診の際にかかる初診料は、国の診療報酬制度によって診療時間内であれば2,880円と決められています。
3割負担の場合、初診料は864円、2割負担で576円、1割負担で288円が自己負担額です(実際に支払う金額は10円未満を四捨五入します)。それに加えて、外来診療料や検査、画像診断、投薬などにも費用がかかります。
例えば、風邪で病院にかかった場合、全て含めて3,000円以内で済むことが一般的です。
ただし、一般病床200以上の地域医療支援病院など一部の大規模病院では、初診時に紹介状を持たない場合、7,000円以上の「特別の料金」が全額自己負担として加算されることもあります。
要注意!診療時間外の診察は負担増
時間外でも診療を受け付けてくれる病院は、万が一のときに非常に頼りになる存在です。
しかし、診療時間外の診察を受ける際には注意しなければならない点があります。それは、時間外診療の医療費は高額になるという点です。
例えば、クリニックを休診日である日曜日に受診した場合、初診料に2,500円がプラスされます。また、22時~6時に受診した場合には、初診料に4,800円が追加されます。
「休日の方が空いているから」「昼間は仕事で忙しいから」と安易に診療時間外の受診をすると、負担が大きくなってしまうことがあるので気を付けてください。
病院に行く前のチェックポイント
ここでは、初めて病院を受診する方や、しばらくぶりの受診という方に準備のポイントをお伝えします。ポイントを踏まえて準備すると、二度手間や余計な診療費の削減につながりますので、ぜひ参考にしてください。
血液検査の前の食事はNG
患者さんの症状や既往歴によっては、初診時に血液検査が行われることがあります。
血液検査を受ける際に注意したいのは、食事の時間。空腹時採血の場合は、採血前10時間は食事をしないようにしてください。
糖尿病の重要な指標である血糖値は、食後すぐに上昇し、健康な人でも基準値を上回る可能性があるからです。糖分を含んだコーヒーや紅茶、ジュース類も避けましょう。
検査で正確な数値が計れないと、再度受診しなければならなくなるほか、病気が発見できなくなる恐れがあります。
伝えるべきポイントを準備しておく
医師は患者さんが記入した問診票や症状などを聞き取ることによって、診断をしていきます。逆にいえば、患者さんが医師に伝えるべきポイントを伝えそびれてしまうと、診断に時間がかかる可能性があります。
以下を参考に、自分の症状をきちんと伝えられるように準備しておきましょう。
- どのようなときにどのような症状が出るのか
- いつからどれくらいの頻度で症状が出るのか
- 時間の経過とともに症状に変化はあるのか
症状や既往歴をまとめておく
スムーズに診療を受けるために、自身の症状や既往歴は事前にまとめておきましょう。
例えば、診療前に記載する問診票にはこれまでにかかったことのある病気を全て記入する必要があります。問診票の記入欄に空白が多かったり、記載漏れが多かったりすると、看護師などが患者さんから細かくヒアリングしなければならなくなります。
また、直近の渡航歴も詳細にまとめておきましょう。渡航歴がない人であれば風邪と診断されるような症状でも、渡航歴がある人の場合は、別の感染症を疑わなければならないケースも少なくないからです。
【まとめ】初めての受診について
本記事では初めての病院を受診する方や、長い間、病院にかかった経験がない方の中に向けて、受診にあたってどのような準備をしたらよいかを説明してきました。
事前に準備を進めておくことで、健康保険証や財布など、受診の際に必要なものを忘れてしまうリスクを下げられます。
保険証を忘れてしまうと、医療費の全額をいったん自己負担しなければなりません。また、自分の症状をきちんと伝えられるように準備しておくことも大切です。
きちんと準備しておくことで、よりスムーズに診察を受けることができるでしょう。
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参照日:2022年12月