喉頭がんとは

喉頭がん

喉頭とはのどにある空気の通り道です。喉頭がんはその99%が扁平上皮がんです。発生部位によって声門上部がん、声門がん、声門下部がんの3つに分けられ、最も多いのは声門がんで6割程度です。

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喉頭はのどにある空気の通り道で、口と気管支をつないでいる管状の臓器です。気道に食べ物が誤って入らないようにしたり、声を出す役割があります。この部分にできるのが喉頭がんです。

喉頭がんはタバコやアルコールを摂取する人に発生しやすいことが分かっています。早期発見のための検診や人間ドックはほとんどありません。そのためにのどに違和感を感じたら自主的に病院を受診することが重要です。主な治療は手術や放射線治療で、がんの部位やひろがり具合、発声能力をどのくらい残すかによって検討されます。

喉頭がんはほかのがんと比較して症例数が少ないため、喉頭がんになったらどのような検査があるのか、治療後はどのような生活になるのか、想像が難しいかもしれません。ここではどのような人が喉頭がんになりやすいのか、どうすれば喉頭がんを早期発見できるのか、そして喉頭がんと診断された人に対しては、喉頭がんとはどのような病気なのか、どんな検査をしてどのように治療していくのかについて、それぞれのページで細かく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

喉頭とは

喉頭とはのどにある空気の通り道です。喉頭の上には喉頭蓋があり、食べ物が誤って気管に入らないようにする役目があります。さらに喉頭には声を出すための声帯があり、発声の時に適当や強さで閉じて、息によって振動しながら音を出しています。

喉頭がんの主な原因と特徴について

喉頭がんは男女合わせて10万人に4.1人の発症数で、がんの中ではまれな病気です。30歳過ぎから徐々に発症者がみられ、ピークは80歳代となっています。男女比では圧倒的に男性に多く認められますが、これは性差によるものよりも、喫煙者が多い、アルコールを飲む人が多いといったほかの原因の影響を強く受けていると考えられています。

喉頭がんの原因とされているものにはタバコやアルコール、そしてアスベスト(石綿)があります。とくにタバコは肺がんの死亡率を4.45倍にするのに対して、男性の喉頭がんでは32.5倍と肺がんを上回る影響を与えていることが報告されています。石綿は断熱材として以前建築で用いられた物質で、吸い込むと何十年経過してからでも悪性腫瘍を発症する可能性があります。

喉頭がんとはどのような病気か、そして喉頭がんになりやすい人の特徴や予防の詳細については「喉頭がんになりやすい人の特徴や原因リスクについて」をご覧ください。

喉頭がんの初期症状と診断方法

喉頭がんは発生部位によって、症状の出やすさに差があります。最も頻度の多い声帯部分のがん(声門がん)では声がかすれる嗄声(させい)が現れることがあります。進行するとのどの痛みや違和感、食べ物の飲み込みにくさなどを感じることがあります。特にタバコやアルコールを摂取する人でこのような症状が出た場合は喉頭がんを発症していないか病院で検査が勧められます。

喉頭がんは患者数が少ないこともあり、住民健診では対象となっていないことが多く、病気を疑ったら自ら耳鼻咽喉科を受診することが早期発見には大切です。がんらしい病変があるかどうかは主に喉頭ファイバースコープという細いカメラを鼻からのどに通して観察します。もしがんの可能性がある変化を認めた場合には細胞の一部を採取して顕微鏡でがん細胞の有無を確認します。

喉頭がんの初期症状から診断までの流れ、検査にかかる費用についての詳細は「喉頭がんの初期症状と検査方法、検診に掛かる費用とは」で紹介しています。

喉頭がんのステージ別生存率

喉頭がんはその99%が扁平上皮がんです。発生部位によって声門上部がん、声門がん、声門下部がんの3つに分けられ、最も多いのは声門がんで6割程度です。喉頭がんのステージ(進行度)は0から4までの5段階に大きく分けられ、さらにステージ4はA、B、Cの3段階に分かれています。

がんに対する治療の効果を示す5年生存率はがん全体と比較してよい数値となっています。

喉頭がんの分類、ステージはどのように決められるのか、罹患者数の推移や5年生存率、気管孔になった場合や代替音声などの喉頭がんのケアについては「喉頭がんのステージ別生存率と平均余命」をご覧ください。

治療と副作用

喉頭がんの基本的な治療手段は手術と放射線治療です。喉頭がんの治療はがんの再発転移を防ぎつつ、できる限り発声機能を残すことが目標になります。治療方法を考える際には、がんの発生部位やステージ、喉頭(発声機能)温存の希望を踏まえて決定されます。

手術は主に喉頭全摘術と喉頭部分切除術、レーザー治療に分類されます。切除部位によっては術後発生ができなくなったり、誤嚥しやすくなったり、気管孔の管理が必要になる場合があります。

放射線治療は短時間の治療を連日続ける方法が一般的です。がん細胞以外にも放射線が当たってしまうための副作用もありますが、放射線治療の技術は進化しており、できる限り正常な細胞への影響が小さくなるような工夫が進んでいます。

喉頭がんの治療とその副作用の詳細、喉頭がんの再発や転移については「喉頭がん治療と副作用について」をご覧ください。

全国の病院ランキングトップ10

喉頭がんはほかのがんと比較して患者数の少ない疾患であり、どの病院でも治療が可能というわけではありません。どの病院で喉頭がんの治療ができるのかを調べる方法の1つに厚生労働省が公表しているDPCデータがあります。DPCとは病名や治療ごとに決められた医療費の定額支払い制度であり、ほとんどの大病院の手術数や症例数を見ることが可能です。喉頭がんの手術データは「頭頸部悪性腫瘍」として、口腔がんや咽頭がんの手術も含めた件数で発表されています。

自分の生活エリアでどの病院を受診したらよいのか分からない場合には、各都道府県に1つ指定されている「都道府県がん診療連携拠点病院」や、各地域で中心的な役割を果たす「地域がん診療連携拠点病院」で相談する方法もあります。これらの病院は専門的な知識をもった医療者が所属し、病状に応じた病院間の連携を行ったり、セカンドオピニオンに対応しています。

「手術数で分かる喉頭がんの名医がいる病院ランキングトップ10」では実際のランキングや手術の数を載せています。そのほかに病院選びの際のポイントも載せましたので、参考にしてみてください。

春田 萌

日本内科学会総合内科専門医・日本消化器内視鏡学会専門医